リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

ゴルフの王様・庶民のスポーツはいかが

全米プロゴルファー、アーノルド・パーマーさんが亡くなって2年が過ぎた。

享年87歳。

PGA(全米ゴルフ協会)ツアーで通算62勝、マスターズトーナメント優勝4回

全米オープン1回、前英オープン2回。マスターズには74歳になった2004年まで

50回連続出場した記録も持つ。だから「ゴルフの王様」と呼ばれた。

しかし、本人は「王様」と呼ばれることは好まなかったと、ジェームス・ダットソン

は著書に「わがゴルフ闘争記アーノルド・パーマー」に彼の言葉を残す。

「ゴルフ界に王様など存在しない。ゴルフは民主的なスポーツ。社会の特権階級

の遊戯などではない。ゴルフは特定のグループや一部階級のものという考えが

出始めたから、その時からゴルフというゲームは目が回るような速度で崩壊に

向かうだろう。」

「攻めの姿勢」を貫くパーマーのゴルフスタイルは、世界中の多くにファンを魅了

した。例えばトラブルに陥ったとき、木と木の僅かな隙間を見つけて、また深い

ラフでもロングアイアンで、グリーンを果敢に攻めた。「安全策を採らなかった

ため勝利を逃した試合はいくつかある。全米オープンでは3、4回、マスターズで

1、2回、全米プロでも少なくとも2回、優勝を逃している」と、言った後に、

「しかし・・・」とパーマーは続ける。

「もし私が、成功する可能性が少ないショットに挑戦しようとする意欲をもっていな

かったら、実際には半分も勝てなかったかもしれない」

ただし、こんな逸話もある。

ある日、210ヤード・パー3のホールでのことだ。

パーマーは長年のコンビを組んでいるキャディのトムキャットに「2番アイアンを」

と告げた。ところがその日、トムキャットは首を横に振りながら、「パーマーさん

3番で打ってください」

「いや、3番じゃとどかないよ」

「いいえ、大丈夫です」

そんなやり取りの後、渡された3番アイアンで打ったショットは尾池ポチャ。

「トムキャット。やはり君のミスだ。2番を」そう言って改めて打ち直した

ボールは池を越え、グリーンでバウンドしてそのままカップインした。

「ほら、2番で正しかったじゃないか」と得意げなパーマーに、トムキャットは

クラブをタオルで拭きバッグに戻しながら言ったそうだ。

「いいえ、いまお使いになったのは3番です。」

「パーマーでさえ」の言い訳の引き合いに出しながら、彼が世界に広めてくれた

ゴルフを、彼をしのびながら楽しもうではないか。