ナス・「はいチーズ」
撮影現場で日本人の女性モデルが、笑顔をうまく作れなくて
困っていました。
そこで外国人カメラマンが「Say cheese,please」 モデルが「チーズ」というと、いい表情が撮れた。
その後のナレーションは続く。
「チーズ笑顔を作ります」 昭和38年の雪印乳業のテレビCM
が、「はい、チーズ」が日本で始まるきっかけになりました。
国それぞれの「はい、チーズ」がある。
メキシコでは「テキーラ」、ドイツでは「スパゲッティ」、
韓国h「キムチ」、そして中国なら「イー、アー、サン、チェズ
一、二、三、茄子」。
とういことで、遠回りしたけれど、本日のテーマは最後の
「茄子」の話。
本来は夏野菜だが秋においしさを増すナスの原産国はインド。
出土した木片には「奈須比」、正倉院文書にも「734年茄子
十一石」の記事が残る。
「奈須比」と書かれていたということは、ナスは当時「ナスビ」
と呼ばれていたのだろう。でないと、江戸時代から言われは始め
たという初夢占いの「一冨士、二鷹、三茄子」が「三ナス」に
なってしまい、語呂の収まりがすこぶ悪い。ネット調査によると
関西から中国地方では現在でも「ナスビ」と呼ぶ人が多い。
ナスはこれからの時期が美味しい。「秋茄子は嫁に食わすな」という、姑による嫁いびりの言葉が残るところ。その出所は
鎌倉時代の和歌集「夫木和歌抄」に載る嫁には呉じ、棚に置く
とも。嫁姑戦争がいかに積年の、否、永遠のテーマであるかを
ものがたっている。
他方で、「嫁に食わすな」はそういう意味ではないという説も
ある。中国の医学古書や貝原益軒「養生訓」にも「ナスを食べ過ぎると腹痛・下痢を起こし、女子は子宮を傷める」とあり、
だか嫁の健康を案じる、思いやりの言葉なのだと。もっとも
現代医学では、ナスに女性の生理に悪影響を及ぼす物質は
認められないそうだが。
なたナスは、花をさかるとほとんど実が成るため、「親の
小言とナスの花は、千にひとつの無駄もない。」の格言が
残る。反面、あまり環境が良すぎる中で育てると、かえって
色が褪せた出来の悪いナスが育ってしまうそうだ。後者が
いわゆる「ボケナス」の語源になったとされている。
うーむ、後者を聞くと時折誰とは言わないけれど最近世間を
騒がせている二世タレントの例を重い浮かべてしまうというのは
少し書きすぎか。