リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

イタリアの進む道

「アモーレ」これはイタリア語で恋愛とか愛する人という意味。

イタリア人が生活で重視するのは愛と食事と歌「アモーレ、マンジャーレ(食べる)

カンターレ(歌う)」。時々、ギリシャ、スペインの次に国家財政が危ない国として

イタリアの名前が挙がる。その理由は政府の債務残高がGDPの130%以上に積みあがっており、借り換えのために巨額の国債を消化し続ける必要があるため。また、イタリアは欧州の中でも少子高齢化が進んでいて、合計特殊出生率が1.37と日本と同じような水準となっていることもあって、近年の経済成長率が低調であることも将来的な財政への懸念要因だと国際社会は見ている。

しかし、イタリア人はそんなことは全く気にしない。アモーレ等の3要素を謳歌することが人生の目的であり仕事は二の次。ましてや国家のことなど念頭にない。イタリア人は午後1時から3時までは昼食をとりながらのんびりと休憩するのが当たり前。生活はせかせかしない。テークアウトのコーヒーを持って歩き回らない。イタリア人は近くに家族がいることがとても大事なことだと考えている。平日に祖父母やいとこが夕食をたべにきたり、日曜に大家族が一緒に食事をするのはごく普通のこと。国際社会はイタリアの行く末を心配しているのに、そんなことで大丈夫なのか、と思いたくなる。

けれどもそれはもーれ杞憂。実はイタリアの対日貿易は大幅な黒字なのである。黒字額は2015年で4762億円。なんと2001年から15年連続で黒字だ。これは石油などのエネルギー資源を日本に輸出している国を除くと希有な存在。財政危機をしり目に遊びまわっている印象がある国に、なぜそのような芸当ができるのか。

答えは簡単で日本の方がイタリアブランド品を一方的に買いあさっているのだ。いまやちょっとした日本の都会にはイタリアをはじめとする海外の高級ブランド品を売る店が軒を連ねている。そこでは高級スーツが平気で100万円とかで売られている。客も定価で買っていく。彼らがブランドイメージを守るためには決して妥協しない。値引きはしないし、大量に売ることはしない。だからみんなが欲しがるのだ。おかげでイタリアという国は周囲の心配をよそに、没落の気配さえない。このようなイタリアの道にはこれからの日本の進むべきヒントがある。よく見渡せばたとえ高価でも世界で勝負できるような日本独自のこだわりを持った品がたくさんある。これらをもっとたくさん売っていくことは、成長戦略の1つの選択肢になるだろう。