孤独担当大臣の重要性は・年間4.9兆円の損失
孤独担当大臣て、知ってます?
英国には世界で唯一、孤独担当大臣なるものが存在します。
昨年から新設されたポストです。
担当業務は、社会で孤独に直面している人のための総合的な政策を率いることです。
孤独という人の内面に行政が踏み込むのは前代未聞。
諸外国からは驚愕の声があがった。
孤独の何が悪いのか、構わないでくれ、との反発も聞こえそう。
だけれども、孤独の抱える問題は相当根深く、社会全体として避けて通れない
ものとなりつつあります。
何をもって孤独と定義するのかは難しいんですが。
テレビを見ていたら、
1人焼き肉、
1人居酒屋大好きという、タレントが結構いる。
1人でディズニーランドへ遊びに行く人もいる。
こういう人たちは孤独を楽しむ確信犯。生きがいともいえる。
孤独大好きな理由は様々。
・1人だと予定・計画を立てやすい、
・他人に気を使わなくて済む、
・集団行動はストレスのもと、等々。
休日は誰とも会わず部屋で動画を観たり、
ゲーム、
マンガ、
に興じていることを公言したりする人もいたりする。
本人が楽しめているのなら、とりあぜずは人畜無害、問題はない。
英国の話に戻りますが、政府の調査では孤独が国家経済に与える年間損失は
320億ポンド(約4.9兆円)にのぼるということです。
↓
「孤独」で年間320億ポンド(約4.9兆円)の損失
「この政策は、2016年に極右過激派に殺害された労働党のジョー・コックス党首の遺志を引き継いだものだ。メイ首相は、彼女が生前に設立を計画していた「ジョー・コックス委員会」が提出した「孤独」に関する問題についての勧告の多くを受け入れた。
ジョー・コックス委員会は、赤十字社など13の福祉団体と連携し、2017年に約1年間かけて孤独に関する調査を進めていた。
その結果、明らかにされたのは以下のようなものだった。
・イギリスでは、900万人以上の人々が常に、もしくはしばしば「孤独」を感じてお り、その3分の2が「生きづらさ」を訴えている。
・月に1度も友人や家族と会話をしないという高齢者(65万人)の人口は20万人にのぼった。週に1度では36万人になる。
・身体障害者の4人に1人は日常的に「孤独」を感じており、18〜34歳の中では3分の1以上になった。
・子どもを持つ親たちの4分の1が常に、もしくは、しばしば「孤独」を感じている。
・400万人以上の子どもたちが「孤独」を訴え、チャイルドライン(相談窓口)の支援を受けた。」
これらは900万人以上の国民が常におり、もしくはしばしば孤独を感じており、
そのうち3分の2が生きずらさを訴えている。
するとどうなるか。
勤労意欲が低下する。それは産業界全体の生産性に大きく影響を及ぼす。
連動して政府の税収も大幅に落ち込む。
調査を担当した委員会は、孤独が人に及ぼす肉体的、精神的悪影響は、
日に15本のタバコを吸うよりも有害だと警告している。
病気と同等だ。
勤労意欲低下が進行すると、やがてひここもりとなったり、
いかがわしい宗教にはまったり、過激思想に染まったり。
ここまでくると重症だ。
やっかいなことに「自分がこうなったのは社会が悪いからだ」と
思い込み、突飛な行動に出て社会に害悪をまき散らす孤独患者が
一定の割合で存在する。
どこかで聞いた話だ。
そう、孤独の問題は英国だけではなく世界中に蔓延している。
バス停で待機しているときに突然背後から襲われたり、
歩道に立って信号待ちをしているときに猛スピードで車が突っ込んできたり、
観光地で楽しんでいるときに、いきなり銃を乱射されたり、
昨日まで普通の生活を送っていた人々が、あまりにも理不尽な命の奪われ方
をされる事件が後を絶たない。いつまた防ぎようのない被害が起きても
不思議ではないのが悲しい現実。日本も孤独解消を政策課題として取り上げる
べき時期にきている。
具体的にできる政策は何か。
例えば子供虐待110番のように、
孤独ひきこもり110番といったものを作る。
周囲の人が行政へ孤独患者の存在を知らせて、官民一体となって
立ち直り支援行うとか。
暗いニュースを少しでも減らすには地道な努力を重ねるしかないのでは。