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映画「武士の家計簿」に見る入り払い帳の重要性がおもしろい

昔、9年ほどになりますが、堺雅人仲間由紀恵主演の「武士の家計簿」は何度見てもおもしろいですね。

江戸時代末期、加賀藩の下級武士で代々御算用者、いまでいう経理係として仕事をしていた猪山家の跡取り息子、直之は「そろばんばか」といわれながらも腕を磨き出世す
る。

 

しかし当時は出世する度に出費がかさんでいく行く社会で、家計は窮地におちいる。

そこで直之は家財を売り払って借金の返済にあて、質素倹約に努める。体面を重んじる武士の世にあって、世間の嘲笑を浴びながらも知恵と工夫で日々の暮らしを立て直していくという、ちょっと毛色の違う時代劇で、北陸の金沢を舞台に浅野川金沢城などの情景、加賀友禅、祭りなどを通じて、三代の武士の家族の生活が描かれている。

 

原作は歴史学者、磯野道史氏の著書「武士の家計簿加賀藩御算用者』の幕末維新」。幕末の下級武士が37年にわたり記した家計簿「入り払い帳」を読み解き、当時の武士の暮らしぶりを浮き彫りにしたもので、実話に基づく映画ともいえる。

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猪山の家族はどんなに家計が苦しくとも冠婚葬祭や子供の通過礼儀、それに伴う親戚との付き合いを大切にした。

しかも質素な生活を妻のお駒は楽しんでいるようににえる。夫の直之が「貧乏が楽しいのか」と尋ねると「貧乏だと思うと楽しくありませんが、工夫だと思うと楽しいです」と答える。

アニメ「この世界の片隅に」を思わせるようなシーン。※

 

お駒の言葉通り、子供の元服を親戚一同で祝う御膳には鯛がつきものだが、膳にはお駒が描いた鯛の絵を出す。家が潰れれば世間体どころではなくなると考えたからだ。

直之は、日々のお金の出し入れを詳しく記した入り払い帳を書き続ける。

 

そろばんを生業とする直之は家庭だけでなく、そろばんではじき出された数字を通して、藩の財政を立て直し、米の横流しを暴いて藩を救う。帳簿は帳尻を合わせばいいというものではない。この売り上げは何によって発生したのか、この経費は何に使用したのか、読み解くことが大切。経理は単なるお金の管理だけではなく、全体の流れを読むという経営の軸となる仕事だ。

 

そろばんをはじく時代ではなくなっているが、現代においても経理の原則は同じ。

ただ「そろばん(勘定)合って銭足らず」という事態におちいることのないよう、肝に銘じなければならない。

 

戦艦大和が建造され、海軍の町として栄えた広島呉市に、人気アニメ映画「この世界の片隅に」の舞台として注目を集める。地域活性化を目指すNPO法人は、登場する実在スポットを紹介する案内所を設置。「聖地巡礼」で観光客を招く。

呉で有名な観光地は大和の模型を展示する「大和ミュージアム」だが、駅をはさんで反対側にある商店街は人口流出も重なり、活気を失っていた。

そこで大和以外の目玉をつくろうと2010年、商店街の一角に案内所を設けた。

ようやく当たったのか16年の公開「このセカ」。伸び悩んでいた年間訪問者はそれまでの3倍に増えた。案内所では映画に出てくる建物などへの行き方を記したマップを配る。スタッフが常駐して解説するなど、ファンの聖地巡りを手厚くサポートしています。

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