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東京五輪に学ぶ レガシーの意味

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3年前、2016年の流行語大賞にノミネートされていた「レガシー」について。

当時、あまりニュースを見ていない人たちは、「どうして今になってレガシーが?」という思いがあった。と、スバルのレガシーに思いを馳せていたでしょう。無論、新語・流行語の候補になっていたのはそのレガシーではなく、小池百合子東京都知事の度重なる発言で話題となったレガシーでsる。意味は、「遺産」である。よって、スバルのレガシーは、「後世に受け継がれていく」という意味、思いが車名に刻まれているわけである。そして東京オリンピッのレガシーは、”開催ありき”ではなく、その会場を後世にまでいかに遺せるかが目下の課題となったわけである。

 

レガシーといえば、現在、着物業界では京都和装産業振興財団主導で、「和装(きもの)の文化」のユネスコ向け異文化遺産登録に向けた取り組みが進んでいる。東京五輪が開かれ2020年の登録を目指しており、有識者会議も開かれた。同財団では申請に向けて、全国を挙げた機運の盛り上げが必要だとして、業界関係者に理解と協力をお願いししているが、こちらのレガシーも東京五輪と同じく、「登録ありき」になってはならず、そのレガシーを未来の人たちにいかに受け継ぐかが問われている。

 

同財団によると、ユネスコ無形文化遺産とうろくに向けて、その申請では「次世代に受け継いでいく体制や方法が図られていくものであるか」が重視されるという。残念ながら今の和装業界は、次世代に受け継ぐ体制が図られているとは言い難い。各産地は生産量の減少から衰退の一途をたどり、職人の高齢化が続いている。このような中、産地をまとめる組合も資金不足・人手不足を理由に十分に機能していない先が多く、産地の存亡さえも危惧される有様である。すなわち、次世代に受けつく体制を図るというよりも、現実的にはその体制の構築が求められている。

 

では、どのように体制を構築するかという話であるが、先ずは「後継者決定」なのである。後継者が決まらなければ、体制構築どころではない。とのかく各産地、ミクロに言えば分業の各工程は、後継者決定を急ぐべきである。これが決定しない産地は、現実的に存亡の危機を迎えるだろう。後継者育成や技術を受け継ぐ体制を図るというのは、その先の話なのである。

東京五輪のレガシー以上に、着物文化のレガシーは難題を迎えている。