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有名なラーメン店の 販売戦略 希少価値

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ツウの間では有名なラーメン屋が近所にある。スープがなくなり次第、営業終了というスタイルで、その絶品を目当てに必ず行列が出来る店だ。以前はグルメ雑誌が企画する地元の人気ラーメン店ランキングで、常に上位に登場していた。ところが、よせばいいのに気を良くして2号店を出したあたりから突然人気が下降線をたどる。売り切れがないようにと、スープを大量に作るなどして準備万端だったはずなのに。

 

この店に敗因は、人間は希少価値があるものに群がる傾向があることに気付かなかった点につきる。2号店を出して乱売をはじめた時点で人々から飽きられて、普通のラーメン屋になってしまった。

ほどなくして2号店は閉鎖、今はもともとの店舗のみで営業を続けている。しかし新旧の入れ替わりが激しい業界だ、この店が人気ラーメン店にランクインされることはなくなった。

 

今の時代では想像できないが、バナナは昔、相当高価だった。日本に初めてバナナが入ってきたのは1902年ごろのこと。台湾産だ。見た目が南国風で珍しがられ、独特の食感も日本人には初体験。輸入量も少なかったこともあり、値段が高く飛ぶように売れた。その後、輸入中継期間を経て、戦後1948年ごろに台湾からの輸入が再開された。

当時の値段はヤミ価格で1本約50円だった。今の値段に換算すると数百円もする。これほど儲かるのだから、市場には輸入業者が殺到したという。

 

1963年、バナナの輸入が自由化される。現在、日本のスーパーなど小売店に並ぶバナナは90%がフィリピンからの輸入品。1960年代に、日本へバナナを輸出するためフィリピン各地で大農園が作られたためでる。こうなると希少価値などはどこへやら、小売価格は一気に下がる。1965年には1kg当たり264円だったが、以降はずるずると下がり続ける。バナナの栄養価は高く、病気見舞いの品としてよく使われたり、ダイエット食品としても人気。でも、小売価格はたかが知れている。100円玉1枚で5、6本買えたりする。

 

ラーメンの話に戻るが、上位の人気を維持しているラーメン店は希少価値というものをよくわかっている。商売上手な人は価値ある商品は出し惜しみする。例えば1日100食限定で販売していたラーメンが売れてくるとする。ここで販売量を減らすのだ。出し惜しみすればするほど、ますます行列が出来るもの。それにたいていのお客は、ついでにチャーハンやギョウザ、から揚げ、ビールなどを注文してくれる。こうなるともう笑いがとまらない。

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