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米の消費量は年々減っている この時期夏向き米の 冷やしてよし米

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おいしくない食事の代名詞の「冷や飯」だったが、あえて冷やして食べる米がでてきた。

米は冷やすと水分が抜けてパサパサ感が強まって食味が落ちる。

そこで寒天や蜂蜜といった添加物を表面に埋め込んで甘さやもちもち感を残す。夏場にありがちな米の消費量の喚起を狙った取り組みに注目が集まっている。

米の加工精米などを手がける業者、「優冷米(ゆうれいまい)冷や飯や~」を発売した。パッケージは妖怪の「雪女」をあしらったキャラクターを使って、冷やして食べても食味を損なわない米だという。

開発した技術を使って寒天、蜂蜜、タピオカの粉末を米の表面に埋め込んだ。米は長崎県でメジャーな品種「ひのひかり」。

ネット販売の他、今月から実店舗でも販売う始めた。地元産の食品などを販売する佐世保市では、今月から優冷米を販売している。「食品の売り上げが伸び悩みがちな夏場の目玉商品にしたい」と期待があるようだ。健康志向の強くなっているシニア層に加え、子育て世代の主婦層などの購入も見込む。

2011年から米を加工した商品開発を手掛け手いる。特に注目したいのがカラフルなコメ。例えば、12年に発表した「キャラ弁米シリーズ」や18年に発売した「食育うんち米シリーズ」。かぼちゃやにんじん、紫芋などの色味の濃い野菜の粉末を表面に埋め込んで色をつける。ただ色のついた米は「シニア層の抵抗感が根強いと分かってきたきて」足元の売れ行きは伸び悩んでいるようだ。

一方高齢化が進んで消費者の健康志向が強まる中、「機能性を売りにしたヒットするようになってきた」。

米は冷やすと米に本来含まれるでんぷんが増えて腸内環境を良くする効果がある。優冷米は健康効果もうたいつつ、需要が低迷しがちな夏場に米の消費を伸ばす狙いがある。

18年の総務省家計調査によると、真夏意の7から8月の米の消費量は年間平均より5%ほど少なかった。米は炊飯して暖かいまま食べるため暑い時期に嫌われ、冷たいまま食べられるソバなどの麺類に需要が移っていくためだ。

食の多様化を背景に、日本では主食用米の需要量が毎年約10万トン減少している。消費者の米離れが深刻だ。

農林水産省によると、4月末時点の調査では15道府県で19年産の主食用米の作付け面積が減少し、その他は横ばいとなる見込み。減少する需要にあわせて産地が生産を減らし、高値を維持しようとしている。ただ、それでは消費の減少を食い止められない。新たな食べ方の提案といった需要開拓の姿勢も必要だである。

 

現役世代には、家族構成にかかわらず、コメのご飯なしの生活を送っている人たちが一定数いる。今回話を聞いた全員に共通するのは、多忙な会社員であることだ。あらかじめタイマーをセットして炊飯しておく方法もあるが、現役世代であれば急な残業や会食などで帰宅時間が変わる、食事が必要なくなる、といったことは珍しくない。10代以上の子どもたちも、塾や部活などで忙しい。

コメの消費量が減り続けているのは、想像以上に食の多様化が進んでいるからではないだろうか。今や、食の選択肢は主食以外でも広がっているのである。

コメの「季節商品化」も進んでいる?

総務省家計調査による1世帯当たりの主食の購入数量の推移から、興味深いことが分かる。2012~2017年の6年間で、1~5%程度減り続けるコメに対し、パンはほとんど変わらず、麺類は1~3%ずつ減少している。全体的に少しずつ主食を摂る人が減っており、その中で最も減少幅が大きいのがコメなのだ。

月間の推移もわかる。毎年最もコメの購入数量が少ないのが1月、突出して多いのが10月、それに続くのが9月である。最も多かった2012年、1月のコメ購入数量は4500グラム程度、10月は11000グラムあまりと、約2・5倍程度の開きがある。つまり、コメも季節商品なのである。

1月は正月がある。9月、10月は新米が出揃う季節で涼しくなり、食欲も増す。爽やかなので、なんとなくご飯と味噌汁の和食を食べたくなるのかもしれない。料理雑誌の10月の定番企画も和食である。

一方、1月は行事ごとの疲労や寒さから料理するのが面倒になってご飯を炊かない。あるいは、ごちそうをたっぷり食べたから、カロリーが高いコメを食べ控えるといった原因が考えられる。モチを食べるから、とも考えられるが、春もコメの購入数量は少ない。2012年の4月は6000グラム程度で10月の約半分だ。

日本人は今、人類史上まれに見る食料が満たされた時代を生きている。外食や中食の選択肢も豊富だ。食材はつねにスーパーなどの店にあふれている。インターネットその他の宅配サービスで、食材や食事を買うこともできる。多様な食事の中から、コメ以外の食べものから栄養を摂ることが容易になっているのだ。

健康管理のうえで、コメがあまり必要ないと判断する人も少なくない。先の3人の例から、コメを食べなくても、物足りないと思わない日本人が増えていることがうかがえる。糖質制限ダイエットや炭水化物抜きダイエットが流行るのも、食の誘惑や付き合いが多く、積極的にカロリー制限が必要と感じる人が多い時代の必然なのかもしれない。

手早く食べられる工夫が必要ではないか

実は、日本人にとってコメは毎日当たり前に食べられるものではなかった。国民の大多数が農村暮らしだった60~70年前まで、農家はふだん、麦や雑穀、芋などを食べていた。コメは特別な日に食べるごちそうだったのである。

農業技術の進歩や開拓などによって、コメの生産量が飛躍的に伸びたのは戦後で、それまでは国民全体に主食として十分な量のコメを供給することが困難だった。そしてお腹いっぱいに食べられるようになった昭和30年代はまだ、バラエティ豊かなおかずをそろえることが難しかったので、人々はご飯をお替わりしておなかを満たしていた。その結果が1962年度のピークなのである。

コメのご飯をおなかいっぱい食べられるようになって間もなく、日本人の生活水準は上がり、おかずをたくさん食べられるようになってご飯のお替わりが必要なくなった。そして今、職場に長時間拘束される現役世代にとって、調理時間に1時間前後も要するコメのご飯は現実的な料理とは言えなくなっている。

精神論や理想のイメージを語るだけで、現実は変わらない。本気でコメの消費量を増やそうとすれば、東南アジアのコメの麺などのように、手早く、多彩な調理ができるコメ加工品を増やすか、短時間、少量調理が可能な炊飯器の開発をするといった、現実に合わせた対策を取るしかないのではないだろうか

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