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「シニア」の名前付けないほうがいい、呼び方よりも付加価値を

シニアビジネスにおける鉄則の一つは、商品名に「シニア」とつけないことである。

理由は「あなたはシニア」とレッテルを貼られ差別的だと感じる人がおおいからです。

ただ、映画や劇場、小売業が実施している「シニア割引」は比較的許容される。

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例えば、イトーヨーカ堂で60歳以上を対象にした毎月15日、25日に5%割引が受けられれる「シニアナナコカード」、あべのハルカス近鉄本店が65歳以上をたいしょうに割引サービスを提供する「ハルカスシニアパスポート」などがあります。

これらが許容されるのは経済的メリットを感じるからです。シニア向けといわれるのは嫌だが、得だから割り切って使うというのが本音です。

一方、商品に「シニア」とつけないで宣伝を図るれいもある。代表的なのはイオンリテールが発行する電子マネーカード「G.GWAON」です。

これらのカードで毎月15日に割引特典が受けられる。イオンでは55歳以上をグランドジェネレーションと、シニアにか代わる世代として定義している。だが、この名称にはいくつかのおかしな点がある。

①「G.G」は「ジージー」と発音するのだろうが「爺・爺」を連想させる語感で、若く見られたいシニアには逆効果になりかねない

②サービスを「55歳以上」に限定しながらも、「年齢にとらわれず、豊かに人生を楽しむ」世代だと定義している点。

③時々、「G.G世代」という呼び方をしている点。ジェネレーションは「世代」の意味なので、「G.G世代」と呼ぶと二重言葉になってしまう。

もう一方で、違和感が少ないネーミングの事例もある。

例えば、JR東日本の割引サービスで、50歳以上向けを「大人の休日倶楽部ミドル」、男性65歳以上、女性60歳以上向けを「大人の休日倶楽部ジパング」と命名しているのがそれです。「大人の」という言葉は対象とする年齢層は幅広いが、60代以上の人にとっては「シニア」と呼ばれるよりも違和感が少ないでしょう。

世代マーケティングの要は、実はターゲット顧客の呼び方ではなく、提供する価値である。シニア顧客を多数持つクラブツーリズムでは、ツアーの説明中に例えば「ゆったり旅」という表現をする。1日の平均歩行時間が2時間以内、メインの観光地の見学時間を通常コースの1.5倍以上もうけるなど、ゆとりを持たせた行程となっている。あわただしく移動する従来の団体旅行とは違う。シニアの身体変化・嗜好変化を配慮した商品であることを訴求している点が卓越しています。

今後はスマートエイジング志向の強いスマートシニアが増えていきます。これらは単に、価格を割り引くのではなく介護予防に有効だったり、認知症予防に向けた認知機能向上に有効だったりする商品・サービスの購入金額が増えると割引が増えるなど、スマートシニアにふさわしい割引の仕組みが望まれますね。