リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

コールドリーディングとは

とあるドラマの1シーン。

謎めいた雰囲気をかもし出す女性占い師が座っている。

水晶玉を挟んで座っている客は、しょぼくれ風のサラリーマン。

占い師の 「あなたは今、大きな悩みを抱えていますね」

との問いに、サラリーマンは小さくうなずく。

占師は「上司や部下との関係に悩んでいませんか」と問う。

サラリーマンは 「なぜ、分かるのですか」と驚いた表情。

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占い師は続ける。 「あなたのご先祖様の無念の思いが、あなたを不幸にさせているのです。あなたのご先祖様の中で、不幸な亡くなり方をした人はいませんか」と。

心当たりがあるサラリーマンは「私はどうすれば不幸から逃れられますか」と泣きそうな顔をして言う。

結局、その場で祈祷を受けることととなり、多額の祈祷料を払う羽目になった。

後日、サラリーマンはマジシャンの卵である妹に、事の顛末を話す。すると妹は、その占い師のたくみなコールドリーディングで、金をまきあげられたのだと断じた。

 

コールドリーディングとは相手の気持ちを全て分かっていると思い込ませる話術の技法。

コールドは「事前の準備はなく」、リーディングは「心を読み取る」という意味。占い師の必須科目でもあるし、これをマスターせねば占い師は務まらない。

そして、この手法を巧妙に駆使することこそが、人気占い師への近道となる。

分かりやすく解説すると、まず、人は生きていたら大きな悩みの1つや2つくらいは常にある。だから、最初の質問にノーと答える人はいない。そしてサラリーマンの悩みなど、ほぼ職場関係だ。

それは突き詰めると全ての人間関係に行き当たる。占い師の指摘は当たって当然。最後の ”不幸ななくなり方” についてはふん飯もの。この世に幸せな亡くなり方をする人などいない。それくらいは分かりそうなもの。こんな手口に引っかかるのは、前半部分で思い込まされたから。

 

実はこの前半のたくみなコールドリーディングは日本人相手にしか通用しないんです。日本人は「みんな友達」と誤解をしていて、職場も学校も友達や恋愛相手を見つけにくい所だと思っている。だから、日本人の職場の一番の悩みは人間関係になったりする。

米国や中国では事情は全く異なる。仕事と友情は別だと割り切っているから。みんなが、お互いのスキルを認め合い協力して仕事を進める場所だと心得ていて、職場はそれ以上でもそれ以下でもない。

従って、アフターファイブを同僚と過ごすことなどしない。あの人とはウマが合わないとか、この人好き、嫌いといった感情は不要なのだ。

ところが、そういう感情が先に立ってしまい、大事な仕事から何から万事をスムーズに運ばなくさせている日本の職場とは大違い。こんな風土も経済成長の妨げになっている。

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コールドリーディングの手法は以下の8つがあります
①あいまいにする
②正反対のことをいう
③不満を引き出す
④おだてる
⑤YESでもNOでも外れない言い方をする(ダブルバインド
⑥自己幻想をかきたてる
⑦弱点を指摘する
⑧向上心を称える
以下順にみていきましょう。
(ただし本まとめは入門編として要点だけピックアップしたものです)

 

①あいまいにする

あいまいな表現を使うことで、ストライクゾーンを広げることが出来ます。
使用例:「かなり非現実的な野望を抱いてしまうことがある」「御社は常に挑戦を続けているようですね」「いつも向上心を高くもっているよね」

 

②正反対のことをいう

まったく正反対のことをいうことで「私のことをわかっている!」となります。片方は日頃人から言われていても、もう片方を言われていないと新鮮味がでるそうな。
使用例:「外交的で愛想がよく,付き合いがいいときもある半面,内向的で用心深く,引きこもってしまうこともある」「いつも明るいけど本当は影があるよね」「いつも成功しているように見えますが、本当は日陰の見えない部分もあるのでしょうね」

 

③不満を引き出す

不満を感じていることをほのめかすと相手がのってくる糸口となります。そもそも占いを受けに来る人はなんらかの不満を感じていることが多いのがみそですね。
使用例:「ある程度の変化や自由を好み,縛られたり制限されたりすると不満を感じる」「現状には満足されていませんよね」「なにか悩み事があるんじゃないの?」

 

④おだてる

人は自分を褒めてくれる人と話すといい気分になるし信じたくなります。
使用例:「自分に対して厳しすぎるところがある」「おしゃれなところに住んでいるね!」「長所を出し切れていないのね」「高級霊に守られている」

 

⑤YESでもNOでも外れない言い方をする(ダブルバインド

日本人は謙遜しやすいからいっそうききやすいかもしれませんね。YESといえばそのままだし、NOといえば「そういうこと自体がその証拠じゃないですかー」といえるのです。
使用例:「自分の考えをしっかり持っていて,根拠なしに人の言うことを信じ込んでしまうことはないと自負している」「協調性があるんだねー」「柔軟に対応されてきたのですね」

 

⑥自己幻想をかきたてる

誰しも「あのときああしていれば…」と思うことがひとつぐらいあるはずです。そこを刺激してあげると乗ってくれやすいです。
使用例:「これまでの人生の選択や行動は本当に正しかったのだろうかと疑問に思うことがある」「本当に魅力を引き出せるかな」「まだ隠れた才能があるのはわかっています」

 

⑦弱点を指摘する

あんまりおだてすぎるとあれなので、弱点をはさむことでリアリティがでます。しかしそれとなく、なので結果として④おだてるにつながっていきます。
使用例:「性格に多少の弱点はあるけれども,たいていはそれを埋め合わせることができている」「人から好かれたいという欲求が強いんだね」「もっと無神経でいれたらいいのにね」

 

⑧向上心を称える

一見相手の弱点を指摘しているようですが相手の向上心を認めることによって改善し成長していく余地をみとめることによってリーディングに価値を与えることができます。
使用例:「人から好かれたい,認められたいという欲求が強い」「これまでも果敢な挑戦をしてきましたね」

 

しかし一番大事なのは相手を観察すること、それも外側からではなく内側から相手になりきって観察すること

いかがだったでしょうか?
手を変え品を品を変え褒めるの変形技のようですね。