リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

スモールワールド現象の速さに、このコロナ感染の怖さを説明します

東京の大学に入学した時から、かれこれ数十年前の話。

これからキャンパスライフに心躍らせ、様々なサークルを見学した。

結果、とあるサークルに決めたのですが、そこで驚きの再会が待っていました。なんと、小学校時代の同級生がいたのです。最初は、お互いすぐに顔を思い出せなかったが、だんだんと、想像していくと昔の同級生だったことがわかった。

人と人のつながりは遠いようで近い。友達の友達はみな友達ではないが、知り合い関係を芋ズル式にたどっていけば、比較的簡単に世界中の誰にでも行き着くという仮説がある。

これを「スモールワールド現象」といって、50年ほど前にアメリカの学者スタンレー・ミルグラムが「米国西海岸で、適当に60名ほどの住民を選んで、知り合いのツテをたどって最終的に東海岸に住む見知らぬ人物A氏に手紙を渡すことができるか」を検証した。

その結果、実際に参加した50名のうち3名を起点とする手紙がA氏のもとに届いたといい、A氏に渡るまでに要した人数は平均するとわずか5.83人だったという。

なぜわずか数人のリレーであっさり手紙が届くのでしょうか。机上の理論で計算すると実はそう難しい話ではないことに気づくんです。

仮に1人が自分の知人50人にA氏へ手紙を届けることを頼む。

その50人が、さらに自分の知人50人に頼むと、依頼は2500人に広がる。つまり、50を6乗すると156億人強となって、あっという間に地球上の人口(77億人)を超えるのです。

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先の検証結果である手紙が届くまでに経由人数平均と近似値である。

従って「スモールワールド現象」は、「6次の隔たり」というふうにいわれたりします。なお、SNSが発達した現代においてはそのネットワークも比較にならないほど拡大しているから「6次の隔たり」はさらに短縮されるという。

手紙を新型コロナウイルスに置き換えてみると、現在、世界で進展していることが、いかに容易ならざる事態であることが、よく分かるでしょう。

自分とはまるで無関係な他人が感染しても、6人足らずの人数を介するだけであっとい間に自分のところに到着してしまうんです。

無症状、軽症な人を含めて、場所、時間を問わずに。だから、早期に徹底した水際対策が必要なのであって、それを怠ると悲惨な状況になるのは明白なのです。

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今、我々一人ひとりが不要不急の外出を控えて出来るだけ自宅にとどまっていることには、これだけの重大な意味がある。

「退屈が」「飽きた」「自分はまさかかからない」の軽い気持ちをグッとこらえて、ウイルス運搬の参加メンバーに加わることのないよう、気を引き締めたいところです。

今日、東京は感染数が38人と急激に減りました。緊急事態宣言の効果でしょうか。皆さんの自粛が功を奏しているかは分かりませんが、ここで気を緩めてはいけません。もうひと踏ん張りがんばりましょう。