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「いきなり!ステーキ」に学ぶ急拡大のワナ

ステーキのチェーン店 「ペッパーランチ」 「いきなり!ステーキ」を

展開している㈱ペッパーフードサービスは、3日、「ペッパーランチ」事業を投資ファンドに売却して、今後は 「いきなり!ステーキ」 の再建に資源を集中すると発表しました。

数ヶ月前から噂はあったものの、近時、深刻な顧客離れが続いて、動向が注目されていた 「いきなえい!ステーキ」事業を売却するのではなくて、採算が取れていた 「ペッパーランチ」事業を売却したことに、一部からは驚きの声がっていましtら。

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「いきなり!ステーキ」はオープンしてすぐに、斬新な店舗スタイルと比較的安価で本格的なステーキが食べられるとあって話題を集め、物珍しさも手伝ってか昼の時間帯を中心に各店舗に絶え間なく行列ができる人気店に成長。

その勢いに乗って、会社は強気の姿勢を打ち出し、急ピッチで全国的な出店を重ねるようになる。

だが、好事魔言多し。

その勢いも長くは続かなかった。もともと、ステーキを日常的に食べる習慣は日本人にはない。グルっと一周すれば、集客がある程度落ち着くであろうことは目に見えていたことです。

ところが、それに反して圏内で出店を重ねれば、店舗同士で顧客の奪い合い(カニバリゼーション)になることは必然でした。

また、急拡大をするということは、それだけキャリアに劣るスタッフの増加にも繋がっていく。

結果、接客オペレーションも曖昧になって、メニューの品質や接客態度を含め、店舗ごとのサービスに大きく違いが出るなど、チェーン店では致命的ともなる評判を広めてしまうことになる。

おまけに、経営危機が進んだ際に打ち出した数々の社長のパフォーマンスも世間からは辛辣な意見が殺到するなど完全に裏目に出て、最近では出店の際と同じ様なペースで閉店が進んでいました。

こうした流れを目の当たりにしながら、牛丼業界に風穴が開けられるかと評判になった 「東京チカラめし」 の失速ぶりを思い出してしまいます。

 

チャンスを逃さず、ユーザーを囲い込めるときに囲い込む戦略は時に大いなる成果を導き出すが、一方では資金運営や人材問題など多大なリスクをはらむ。

周りに乗せられて何の政策もなく猪突猛進するだけでは、落とし穴にはまるのは明白。そして、急拡大の魅力に取り憑かれるあまり、待ち受けるワナにはまった企業は多数あります。

そして、一度ケチの付いた事業(店舗)を再び軌道に乗せていくことは容易ではないですね。

同業他社もこの失敗を目の当たりにしてるし、コロナ禍も大きな逆風です。なかなかに茨の道が待っていることだろうことは想像に難しくないですね。

 

と、ここまで辛らつな意見で終始しましたが、これも 「いきなり!ステーキ」 が個人的に好きで応援しているからこそ。

もともとは、そんなに悪い店ではなかったから。

お気に入りはリブステーキ。

これが食べられなくなるのは困ったもんで、何とかもう一度原点に返った店舗作りを、お願いしたいものですね。