聞いたことがありますか、渋沢栄一の声。
こんばんは。
先月、NTT東日本・西日本が、電話帳 「ハローページ」 の発行を終えると発表しました。あの分厚い奴。
来年10月から順次、各地の最終版を出して、その後は制作と配布を行なわず、電子版も予定していないらしいです。
ひと昔前までは、企業、家庭、飲食店、公衆電話ボックスなどに、とこでも置いてあったあのハローページ。
しかし、2020年の配布数は119万部とピーク時(05年)より98%減る見通しのようです。確かに、私も最後にハローページをめくったのはいつだったか、まったく覚えていませんね。
インターネット、携帯電話の普及といった文明の発展とともに、その役割を静かに終えようとしている多くの媒体たち。その代表格な例となりました。
NTTのホームページによると、日本で初めて電話帳が発行されてのは明治23年(1890年)。「電話加入者人名表」なる1枚の紙に、197の電話番号と名前が記載されたものでした。
電話番号1番の東京府庁から始まり、官公庁や新聞社、銀行に交じって、渋沢栄一や大隈重信などの名前も並んでいたらしいです。
近代日本を代表する人物の生声は、受話器からどう聞こえて、どんな話し方をしたんでしょう。
そんな時、渋沢栄一(1840~1931年)の実際の肉声を参考にした音声が聞ける、ヒト型ロボットが完成したニュースを知りました。
現在の埼玉県深谷市の出身で、市は功績や考え方を広く知ってもらおうと、渋沢栄一を忠実に再現したアンドロイドを制作し、渋沢栄一記念館(深谷市)に展示することになったらしいんです。
6月30日に行なわれた除幕式には、製作費など1億円を寄付した深谷市の鳥羽博道ドトールコーヒー名誉会長や技術監修した関係者が出席、今月から一般公開がなされています。
ちなみに、その渋沢アンドロイドは、大正12年(1923年)に実際に話したとされる経済と道徳は両立するという 「道徳経済合一説」 を、まばたきして身振り手振りを交えながら語ってくれるんです。
講演時間は約8分間で、1日8回開催されるとのこと。
2024年度発行の新1万円札の肖像に選ばれて、来年のNHK大河ドラマにも取り上げられるなど、熱い視線を集める 「日本資本主義の父」渋沢栄一。
幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され、挫折を繰り返しながらも高い志を持って未来を切り開き、
「緻密な計算」 「人への誠意」 を武器に近代日本のあるべき姿を追い、挑戦し続けてきた彼の声は、先の見通せない不安な現代を生きる我々に、少しばかりの勇気を与えてくれるでしょう。
きっと・・・・。