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近くのスーパーで地元産の野菜を買った 「地産地消」について

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先週の日曜日、近くのスーパーに買い物に行った。

野菜売り場に行って、地元農家産の野菜コーナーがあった。

ちょっと形は悪いが、お手ごろな値段で、茄子などを買ってみた。

他の野菜とは違ってちょっと小ぶりだが、安くて消費者には優しい売り場だと思って、なにかほのぼのした気分になった。

 

そのことから 「地産地消」について話してみよう。

地産地消」とは、地域で生産された農林水産物を、

その生産地域で消費する取り組みのこと。

地域生産・地域消費の略語である。

その土地の恵みをどの土地で活かす考え方。

1981年(昭和56)の農林水産省の 「地域食生活向上対策事業」で初登場した。

今では全国各地のスーパーで地産地消コーナーを見かけるなど、

日常に浸透している。

 

地産地消の利点はなにか。

消費者と生産者の距離が縮まることで、消費者が新鮮で安価な旬の農水産物を消費できるようになること。

トレーサビリティが簡単で生産状況の確認がしやすく安心感があること。

流通経費の節減で収益性が向上すること。

少量生産が可能となって、不揃い品や規格外品も販売できるところである。

 

私がこの「地産地消」を強く意識するようになったのは、

今から20年前のこと。

ウオルマートやカルフールなどの世界的総合小売業に日本上陸が

現実味を帯びてきた頃。

当時、非関税障壁といわれた大店法が廃止され、流通外貨の莫大な資本力と圧倒的な低価格によるエブリデー・ロープライス政策は大きな脅威であった。

「黒船来襲」 と世論は騒ぎたて、業界では 「日本の流通は壊滅するのではないか」 と戦々恐々としていた。

ここで国内勢は外資を迎え撃つ対策を練るのだが、

特に地域密着型の地方スーパーで着目されたのが「地産地消」だった。

生産者と消費者を囲ん込んで ”一所懸命” に篭城戦を図ろうとしたのだ。

 

ところがフタを開けてみると、流通外貨の日本進出は大失敗に終わる。

日本の特殊な食文化と商習慣を理解せず、一方的に世界基準を押し付けようとしたことが間違いだった。

そして今日、 「地産地消」 は再び注目されようとしている。

新型コロナウイルス感染が世界中に拡散したことでサプライチェーンが崩壊し深刻な供給不足に陥るかもしれないからだ。

特に食料やエネルギーの場合、海外の生産国がコロナ禍で輸出どころではなくなり、自国消費を優先するようになると値上がりも予想される。

仮に日本だけでも感染が収束しても、世界中の国々でも収束しなければ供給は回復しない。

これまでは活動自粛による需要消失でデフレ圧力が先行したが、

今後は供給不足からインフレ圧力が蓄積されていくことも考えられて、

雇用悪化や収入減とも相まって国民生活はジワジワ苦しくなってくる。

そこで海外からの輸入に依存するのではなく、

国産回帰の 「地産地消」 経済が見直されるようになるわけだ。

 

さすがに今さら、すべての業種で100%国産回帰は非実現的であるが、供給リスク分散の一つの選択肢として 「地産地消」 も

考慮すべきかもしれないと思った。