「カドカド繁盛」・「商いは角々」に思う昔のひと。
昔の女性は、とてもハイカラで豪快だった。
お酒も強いし、オシャレ。
遊びの一つにマージャンがあった。
配牌のとき、パイの山の角から2枚ずつ取る事がある。
その時、よく「カドカド繁盛、カドカド繁盛」 とつぶやいてニンマリ
していた。
その意味について、 「語呂がいい」 とか何とか言って口を濁していたが、 「細かいところまで、隅々まで心配りをするのが商売繁盛の基本」 というような意味のことを別のところで聞いたことがある。
さて、今年のお盆は。コロナに連日の猛暑。
逆説的に恨みも込めて言うが、遠出しない・外出しないにはある意味で最高の環境であった。
そこで 「家の片付け・掃除でもするか」 と一念発起し、大掃除を始めた。
細かく目を凝らすと、部屋に限らず玄関・トイレ・風呂場などの角、隅にはゴミ・ほこりが溜まって、固まっている。
その積年のゴミを歯ブラシで取りの除いている最中、
天から 「カドカド繁盛」の言葉が降ってきた(ように感じた)。
お盆時期であったからであろうか・・・・。
それからは、昔のことを思い出しながら念仏のように唱えてゴシゴシ、ゴシゴシ。やればやるほどキレイになっていくのが快感で、終わってみれば家の中が見違えるようにスッキリした。
やはり角・隅がビシッと決まると全体が引きしまる。
ちなみに、「カドカド繁盛」 ということわざ・慣用句の類は存在しない。
造語だったのだろうが、似た言葉で 「商いは角々」という言葉があることを今更ながら知った。
”商売の要諦は客を観察して客に会ったものを売り、サービスを提供する” という意味だ。
商売人である昔の人が、家業を繁盛させるためにこの句を自分なりに変換して常日ごろから念じていたと思うと、なんやら感慨深い。
家の中以上に心がスッキリした。
故人思いを馳せることで、改めてわかることがある。
やはり、お墓参りや里帰りは大事なのだ。