リョウガのページ

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「コバヤシマル」 と名付けられた、宇宙プラットフォーム シナリオについて

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昨年12月に発足したばかりのアメリカ合衆国宇宙軍(USSF)

 

は、今年5月、共同宇宙運用センターにおいて、

同盟国の関係機関との間で瞬時に情報共有して

共同で宇宙作戦うぃ実行可能にする

クラウドベースの運用プラットフォームを完成させました。

 

宇宙空間での発射体、隕石や衛生を追跡・監視して

衛星や宇宙船から電送されてくるテレメトリーデータを

共有するんです。

この新プラットフォームは、

「コバヤシマル」 と名付けられました。

 

「コバヤシマル」って何・・・?

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名前の由来となった「コバヤシマル」とは、

SF映画 「スタートレック2カーンの逆襲」 の冒頭シーンに

名前だけ登場する宇宙船のことです。

劇中で、宇宙艦隊アカデミーの仕官候補生が

模擬戦闘用コンピュータ・シュミレーションで実践さながらに訓練するんですが、

その最も難易度が高い課題が 「コバヤシマル・シナリオ」なんです。

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このシナリオは誰でも必ず失敗するようプログラムされているんで。

絶対に勝ち目の無い絶望的状況で、指揮官としていかに決断し、

行動すべきか。

任官前の候補生にこれを疑似体験させて士官としての心構えを養うんです。

スター・トレックの熱狂的ファンの間では有名なエピソードなんですね。

 

民間宇宙輸送船コバヤシマルが敵対勢力のクリンゴン帝国との

緩衝宇宙域で故障・漂流して、救難信号を受けた候補生が

宇宙艦の艦長として救助に向かうが、

そのためには条約を破ってクリンゴン宙域を単艦だけで侵犯

しなければならない。

その結果、圧倒的なクリンゴン艦隊の攻撃を受けて、

コバヤシマサルとともに撃沈されてしまう

当然その決断で部下全員が犠牲になって、

遺族を悲しませることになる。

もちろん自分たちの命を惜しんで救助に行かないという選択もある

この場合コバヤシマルは見殺しだが、少なくとも全滅だけは回避できる。

犠牲(コスト)を半分に抑える選択だ。

ただし、宇宙艦隊には第20条3項という軍規があって

救難信号を受けた宇宙艦隊士官には救助に駆けつける義務がある

これに違反すると、正義を重んじる宇宙艦隊士官としての

存在意義が問われるというジレンマに陥ることになる。

 

これは映画の中の架空の話なんですか、

我々の実生活やビジネスでもよく似た状況に直面することは

十分にあり得ることです。

それは 「信念を曲げてでも結果を重視すべきか」、

それとも 「結果を度外視してでも信念を押し通すべきか」

の葛藤である。

会社を存続させるためならば、企業の社旗貢献や

地球環境保護などの高尚な理念、法令順守の精神をかなぐり捨てて

従業員を劣悪な労働環境に追いやったり

大量解雇に踏み切ってもよいのでしょうか。

製品偽装や粉飾決算に手を染めてもよいのか。

 

「コバヤシマル・シナリオ」はもはや

SF映画の範ちゅうを超えて、普遍的な命題として

議論されべきなのではないでしょうか?