和製英語には日本人による造語(誤用?)によるものが多くて・・・
よく会社で書類を書くんですが、和製英語やカタカナ英語を良く使っていることに気付きます。
なんだか、かっこつけて、響のいい文章を気取って書いているようでいやですね。
和製英語、あるいはカタカナ英語と呼ばれる言葉があります。
和製英語には日本人による造語(誤用?)によるものが多くて、
それを海外でそのまま使っても理解されなかったり、別物に
解釈されたりもしますね。
「サラリーマン」 が代表的な一つです。
雇い主からサラリー (salary) を貰って生活している給与生活者
という意味で人口に膾炙(かいしゃ)しています。
言葉の歴史は古くて、小説家の源氏鶏太(けいた 1912年~1985)
や山口瞳(1923~1995)によって、高度成長期のサラリーマンが
活写されたほか、コミックでは本宮ひろ志の 「サラリーマン金太郎」や
弘兼憲史(ひろかねけんし)の 「課長 島耕作」 シリーズが有名。
日本における「サラリーマン」には、英語の ”Office Worker” や
”company employee " とは少し異なる内実が含まれるようにも私は感じています。
「イメージアップ」 は通常英語では improve ones image ,
「ベテラン」 はもともと退役軍人の意味でして、expert と言うのが正解。
そして、「ホッチキス」。普通はステープラー(stapler)と呼ばれ、
アメリカのE・H・HOTCHKISS社に由来しています。
錫(すず)メッキ鋼板のことを「ブリキ」 と呼ぶのは、幕末の頃、
輸入されたレンガ(brick) の容器について日本人が 「これは何だ?」
と質問したところ、中身に関する質問と誤解してレンガ(brick) と答えたことから、錫メッキ鋼板=煉瓦(ブリキ)になったんです。
このケースには逆も見られて、「みかん」 は英語で ”satuma"(薩摩)
と呼ばれます。
鹿児島に来た英国人が温州みかんについて質問したところ、
「ここはサツマだ」 と答えたために、温州みかん=サツマとなったとう説もあります。
ちなみに、orange=みかんというのは正解ではなくて、みかんはsatumaやmandarinと呼ばれていて、オレンジ(orange)とは少し違う扱いです。
私たちは英語の習い始めから、りんご=apple みかん=orangeと刷り込まれている。
そして、同じように「責任」=responsibilityと思い込んでいる面がある。
しかし、サラリーマンを長くやっていると、責任というのは、もっと多義的なもののように思えてきました。
少なくとも責任にはresponsibility=物事をルール通りに実施や行動に移すことの ”実行責任” と、accountability=実行された結果の成否に対する責任、つまりは ”結果責任” の二つがあります。
実行責任を果たすべき人たちが、上司への忖度によって、やるべきことを実行しない、あるいは結果責任を問われるべき人たちが「粛々と真面目に執務した」といって結果責任を回避したりすることは、社会の根本を破壊することにも繋がる。
錫メッキ鋼板をブリキと呼んだり、みかんとオレンジを混同したりしても
大した弊害はありませんが、果たすべき 「責任」 の混同には十分注意したいものです。