戦略的昼寝について・・・
「昼休みに寝ていると上司に叱られた」
という話を最近SNSなんかで目にする事があります。
「眠いのは甘えだ。怠けている証拠だ。昼休み返上で働いてこそ出来るやつだ」 とでも言われたいのでしょうか。
休憩時間に職場での昼寝を否定する理由は
「見た目の印象が悪い」くらいしか思いつかないですね。
眠気を抱えたまま仕事を続けても集中力が落ちて非効率なだけで、
昼休みに仮眠するくらい許されてもいいと思うのは私だけではないでしょう。
ところで、10月1日付け米ニューヨークタイムズのウエブサイトに
「The Army Rolls Out a New Weapon : Strategic Napping 」
という記事が掲載されていました。
「アメリカ陸軍は新兵器 ”戦略的昼寝” をロールアウトする」という題名。
記事によると、アメリカ陸軍は8年ぶりに更新した最新の健康管理マニュアル「FM7-22 HOLISTIC HEALTH And FITNESS」のなかで、
兵士が最適な能力を発揮するために 「戦略的かつ積極的な昼寝」を
推奨している。
マニュアルには「兵士は覚醒状態を回復させ、能力の発揮を促進するために、短くて頻度の低い昼寝をすることができる」。
「日常的に利用可能な睡眠時間の予測が難しい場合、兵士は時間が許す限りできるだけ頻繁に長い昼寝をすることができる」 と記載されている。
人間の体内時計では、午後に一時的な深い睡眠が促されることがあり、そのタイミングで昼寝をすると睡眠不足が補完されるだけではなく、
体内時計の正常なリズムにより夜間に不眠で悩まされることもなくなる。
良い睡眠のためには就寝前のビデオゲーム、パソコンうあスマホの使用、アルコールの摂取を避け、代わりに落ち着いた音楽を聴いたり、読書や暖かいシャワーを勧めている。
今回のマニュアル更新で、従来の学校の体育の授業のような内容だったものが、持続可能な運動、より良い回復、適切な睡眠と栄養を含む
フィットネスへの広範なアプローチに書き換えられている。
そのなかで 「昼寝は贅沢なものではなく、精神的、身体的パフォーマンスのために欠かせないツール」と認識を改めています。
アメリカの軍上層部では近年、睡眠が適切な状況判断に欠かせないことを痛感している。2017年に海軍で疲労を原因とする軍艦衝突事故が立て続けに発生したため、海上勤務での睡眠スケジュールの見直しが行なわれた。任務中の慢性的な睡眠不足が意思決定を損ない、
事故の可能性を高めていることがわかっってききたんです。
規律に厳しく保守的な軍隊ですら昼寝を推奨しているくらいだから、
民間企業ならなおさらだ。
たとえ熟睡はできなくても、目を閉じて数分間椅子にもたれかけているだけでも、その後の仕事のパフォーマンスが全然違ってくるというものだ。昼寝は生物的にも理に適っているんでしょうね。