リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

ムヒカ氏の言葉「「ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。」

アメリカ大統領選に向けた過熱化の様子が連日報道されていた10月。

トランプ大統領とは180度スタイルの違う一人の政治家が引退を表明しました。

アルゼンチンとブラジルの隣国ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏がその人で、2010年から5年間大統領を務めた後、上院議員として活動していましたが、85歳の年齢から退くことを決めました。

ホセ・ムヒカ - Wikipedia

ムヒカ氏といえば大統領執務時の2012年、世界を取り巻く自然環境や貧困など、地球の未来について話し合いわれた 「持続可能な開発会議」 でのスピーチが話題になり、BBCをはじめ世界のメディアに取り上げられ一躍有名になりました。

「ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。息をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか」 「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」・・・。

 

消費中心で経済の発展ばかりに目を向ける社会に対して、このようにシンプルでメッセージ性の強い言葉を発信したことが多くの人をひきつけたのでしょう。

テレビや映画で彼の暮らしぶりは広く知られる事となり、日本でも前出のスピーチを取り上げた絵本が出版された際には来日を果たしました。

大統領時代には、給料の9割を慈善事業に寄付し、自身は小さな農場付きの自宅で妻や犬と仲睦まじく生活を送り、移動には古びたビートルを運転。見た目の風貌も、着慣れたくたくたのシャツにノーネクタイで、世間一般の持ついわゆる 「大統領」 のイメージとはかけ離れている。国家として初めて、大麻の所持や売買を合法化したことでも話題になりました。

ムヒカ氏は7歳の時に父を亡くし、野菜や花の栽培で家計を支えていた母を手伝う、貧しさと隣り合わせだった幼少期を過ごしました。

その後、格差にない社会と自由を求めてゲリラ活動に参加、砲弾で人

を傷つけ自分も傷を負い投獄された。

十数年に及ぶ獄中生活の中で、非人道的な扱いを受けた事もあり、肉体的にも精神的にも追い込まれた時期があったという。

今の穏和なイメージからは想像できない壮絶な体験があるからこそ、訴えかける一つ一つの言葉に引き込まれます。

 

「私たちは発展するために生まれてきたのではありません。幸せになるためにこの地球にやって来たのです」

日常生活を改めて見つめ直さざるを得ない日々が続いている。

地球の未来、そして一つ一つの幸せについて立ち止まり考えなければならない現状。失敗を恐れず強い信念のもと、理想を追い求めたムヒカ氏の言葉から、その答えを導き出すヒントを見つけることができるかもしれません。・・・