2020年を振り返って・・・
2020年を振り返って・・・
全国のアパレル関係業者の整理倒産統計の今年1~11月の状況、
件数308件、負債額842億円となりました。
前年同期間と比べると、件数は79件、率にして20.4%の減少。
負債額も190億円のマイナスとなりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響ではとんどの企業で業績が急激に悪化、倒産ラッシュが懸念されていましたが、政府などによる支援制度の利用で当面の資金繰りを維持し、今のところ最悪の事態は何とか回避できているようです。
ただし、先行きの不透明感は増していて、自主廃業や繊維事業撤退を選ぶケースは増加傾向にあります。
なお、全業種でみると、12月24日時点で倒産件数は7815件、
負債総額は約1兆2415億円。
年間の倒産件数は過去最低水準の8000件を下回り、負債額も減少する見込みです。
レナウン、100年の歴史に終止符・・・
今年の倒産でます思い浮かべるのが㈱レナウン(東京都江東区)。
長く業績不振が続いて、中国・山東如意グループの傘下で再建を目指していましたが、昨年に山東グループ企業に53億円の不良債権が発覚、親会社との不協和音も伝えられいたところ、コロナが追い討ちをかけた。
当初は民事再生法を申請してスポンサーを募ったものの、引き受けてが現れあのはいくつかのブランドだけ。(弊社もその引き受けて)
会社として存続する道を断たれ、倒産手続きで100年を超える名門の歴史に終止符を打ちました。
レナウンより先にコロナ倒産として注目を集めていたのが㈱シティーヒル(大阪市中央区)。
大阪発のSPAとして年商100億円企業に成長を遂げていたものの、
近年は赤字が連続して、厳しい台所事情だった。
レナウン同様に民事再生法を申請しましたが、こちらはスポンサーによらない、自力での復活を目指しています。
これからは、服をネットで買う時代が本格到来します。
このコロナ禍で社会は大混乱に陥っているが、とりわけ激しい風雨にさらされているのが小売業界です。
昨年は百貨店の苦境がさかんに伝えられましたが、今年の緊急事態宣言、外出自粛は、ほぼすべての小売業者に大打撃を与えました。
客の来ない店舗は ”負動産” と化して、アパレルの㈱ワールドや
㈱TSIホールディングス、スーツの青山商事㈱といった業界トップ企業を含め、不採算店舗閉鎖、人員削減といったリストラを余儀なくされました。
その一方で、成長分野として一様に揚げられるのがインターネット通販。巣篭もりもあってネット通販利用の流れが加速して、パソコンやスマホの画面越しでいかに服を買ってくれるか、各社の手腕は問われるとともに、川上のメーカーサイドにも、デジタル時代に即した新たな商材作りが求められています。
来るべき終息後に備えて・・・
いつ終わるのか。 人々の思いはその一点にかかってきています。
ワクチン接種が欧米で始まったばかりで、明るい展望はまだ描きにくいものの、悲観ばかりしていられません。
この年末年始はゆっくりと穏やかに過ごされた方もおおかったはずで、
コロナ終息後に備えて思いをあれこれ巡らせつつ、英気と免疫を養って欲しいものです。