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近頃、都に流行るもの・・・

近頃都に流行るもの : THE BANK OF PUTTERS

 

「近頃、都に流行るもの。

空気清浄機、加湿器、トースター」

日本電気工業会によると、昨年の白物家電の国内出荷物が24年ぶりの高水準となったようです。

空気清浄機は前年比57%増、加湿器は25%増。新型コロナウイルス感染の防止を受けたもの。巣篭もりで在宅期間も増えて、トースター、自動調理鍋、ホットプレートなど ”家食” に関連するものも伸びていますね。

その一方で、出勤回数が減り、電気シェーバーやアイロンなどは減った。清潔健康志向の高まりと在宅勤務の増加。今のトレンドを象徴していますね。

とはいえ、白物家電の出荷増は昨年だけでなく、5年連続の前年比プラスなんです。着実に販売実績を伸ばしてきた。新型コロナだけでの一時的な需要増ではなくて、「あの業界が」 と思われるみなさんもおられるでしょう。

東芝が中国の美的集団に白物家電事業を売却したのは2016年6月。同年8月には台湾の鴻海精密工業がシャープを子会社にしました。当時、外資を巻き込んだ白物家電業界の競争激化の再編劇は、驚きとともに 「日本は大丈夫か」 と懸念を生んでいました。

そうした世間の騒ぎを横目に、商品企画そのものは消費者ニーズに合致したからこそ5年連続のプラス成長を遂げたのであろう。コスト、機能、品質、技術、新しい生活提案力。親会社がどこであれ、その働く現場の人たちが必死で努力を積み重ねてきた結果と評価したい。

春闘がスタートしました。業績悪化企業は事業維持と雇用継続が重要と、一律の賃金引上げを拒む経団連。連合は2%程度のベースアップを方針に掲げる。経済の先行きが不透明な中で、雇用の維持と賃金引上げの交渉が始まっりましたが、従来の年功序列ではなく、役割や成果で処遇を決める人事制度にも見直しが広がってきそうです。

業績悪化は個々の企業力だけではなく、業界全体が厳しい環境に追い込まれているという側面もある。国が改革を推進するデジタル業界は人手不足が強まるほどの盛況、苦境の飲食業は廃業・倒産にブレーキがかからない。追い風、向かい風。新型コロナは、様々な業界、そこに働く人々の暮らしに影響を与えています。

おそらく、この事態に逆転ホームランの一手はないでしょう。

白物家電ではないが、地道にヒットをつなげていくしかない。逆風にこうべを垂れつつもアンテナを高くして変化の予兆を探る。その変化に合わせた商品作り、販売施策などひとつひとつに改良を加え、少しでも消費者マインドに沿った事業展開をしていくしかないんです。

業界が元の姿に戻ることはないにしても、そうした施策の延長線上に新しい業界の姿が待ち受けていると信じて。