リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

「きょうよう、きょういく、ちょきん」て何

 

あるお年寄りが、これから必要なものとして

「きょうよう、きょういく、ちょきん」

の3つをやたらと口にするようになりました。どうもどこかのメディアで聞きかじったようです。

さて、「きょうよう」 とは、教養のことではない。

もちろん、いくつになっても学ぶことは大切ですが、ここのきょうようは「今日、用事がある」 の短縮言葉。

「きょういく」も、教育ではなく 「今日、行くところがある」 の短縮。

「ちょきん」は、貯金ではなく 「貯筋」。

色と福祉 60代からの色活講座

 

つまり、筋力を維持すること。退職したり子供が巣立ったりした後はどうしても家に閉じこもりがちになるシニアにとって、「今日用」「今日行く」として何かしら用事を作って外出することが大事。そこで逢った誰かに関心を持ったり、言葉を交わしたり、新しい情報を得たりすることで、心も身体も活性化する。そして出歩くための筋力づくり。

健康的な老後に向けて大事な3つ「きょうよう・きょういく・ちょきん」とは?

 

こう書くと、じじくさい、そんなことは定年退職の後に考えたらいいとの声が聞こえてきそうだが、早いうちから意識づけをしておくことで、誰にもやってくる老化現象の防止に繋がる。

75歳以上の高齢者が運転免許証の更新を行なう際に、認知機能検査が行なわれます。自分の判断力や記憶力の状態を知ってもらうために3つの簡単な検査です。

その検査の1つに 「今日は何年の何月何日、何曜日?今の時は?」という問いがあります。

これは時間の見当識が保たれているかどうかを確認するもの。

要するに、認知症の初期症状の有無を調べるです。多くの人の初期症状は物忘れ。専門用語で見当識障害といいます。見当識障害の最初に現れるのが、時間がわからなくなること。やがて季節、自分の年齢、今いる場所がわからなくなる。自分の家がわからなくなり、徘徊したりします。そして人間関係がわからなくなり、妻や娘に対して「そこのお嬢さん」などと話しかけたりする。

毎日仕事に追われて「忙しい」が口癖だったのに、定年退職に突然やってきた毎日が日曜日状態。やることがない、会う人もいない、運動も億劫、という人は多いでしょう。だけど、このままでは認知症へまっしぐらだ。そこで、まずは何でもいいから日課を作り、スケジュールを埋める。これで最低限の ”きょうよう、きょういく、ちょきん”はクリアされる。

だけど、ここからが大切なポイント。その用事、場所が楽しいかどうか、これが重要。いくら健康のためだといっても、やはり楽しくないと長続きしない。結局、毎日が日曜日状態に逆戻りする。

こうならないためにも、中年世代になったら会社や家族以外にも自分自身が楽しめる居場所を作っておく努力をしておきましょう。