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「約束のネバーランド」は鬼滅の刃を超える

物語の内容こそ知らないまでも、そのタイトルを耳にした覚えがない人は果たしてどれだけ残っているのだろうかと思わせるほどのヒットとなった「鬼滅の刃」。

連載媒体は「週刊少年ジャンプ」ですが、同誌に2016年から2020年まで連載していた 「約束のネバーランド」という作品がありました。

 

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2018年に漫画賞「このマンガがすごい」男編の1位を獲得、さらに昨年から今年にかけてアニメ・実写映画化などされて、鬼滅の陰に隠れながらジワジワとファン層を拡大し続けています。

物語の舞台となるのは孤児院「グレース・フィールド・ハウス」。

孤児たちが優しい世話役の女性「ママ」のもとで何不自由ない暮らしを送り、温かい「家族」の姿を形成していました。

そこには人並み外れた学習能力を持った11歳の女の子「エマ」、エマと同じ年で天才的な頭脳を持つ男の子「ノーマン」、

やはり同じ年で、ノーマンと渡り合えるほどの知能を持った男の子「レイ」の3人も暮らしている。

施設では、時折 ”里親が決まった” といって1人ずつ子供がママに外に連れ出されいくんですが、ある少女の番に当たった際、少女の忘れ物に気付いたエマとノーマンは、それを届けにいつもは近づくのを禁じられていた門まで行き、そこで衝撃的な事件を目撃してしまうんです。

安住の地だと信じていた場所がそうではないことを知ってしまった日から、エマたちの脱走計画が始まるー。

物語の軸となるのは大人たちと頭脳明晰な子供たちの駆け引きや心理戦。いかにママをはじめとする監視の目をかいくぐって無事に外に出られるか。先の先、裏の裏まで読み、正面突破ではかなわない相手に一矢報いるために知恵を絞りに絞る。

作画が可愛らしいので取っ付きづらいところもあるが、緻密に練られたプロットを物語の軸としているだけに、若い人のみならず、私のような中年層やそれ以上の高齢者まで、幅広い世代に受けているようです。

勝つのはほぼ不可能ではないかと思われるような絶対的に強い敵を前にして、いまやるべきこと・現実可能なこを必死で考え、実行していくエマたちの姿には思わず胸を打たれます。

緊急事態宣言も延長となり巣篭もりアイテムとしてうってつけの作品なんですが、閉塞感や諦めにも似たような空気が漂いがちな今だからこそ、主人公の3人達にちょっとした勇気を分けてもらえるかもしれません。

約束のネバーランド』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト