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こんなにあった! 倒産が減ったワケ

こんなにあった! 倒産が減ったワケ

 

前回は「倒産激減」と題し、2020年の銀行取引停止件数が大幅に減少したことについて、コロナ禍の影響を受けた事業者の資金繰りを支援すべく、不渡り報告はの掲載・取引停止処分を猶予するなどの特別措置がとられたこと。

政府による個人事業者や中小企業向けの資金繰り支援策が打ち出され、救済資金が大量に出回った事。また、倒産の減少が12年間も連続していることについては、中小企業金融円滑法が影響したと書きました。

ただし、これらの救済策は緊急時のセーフティーネットとして適切に運用されているのであれば問題はないんですが、政府の過度な政策介入は自由主義経済における新陳代謝である「参入と退出の自由」を妨げてしまう恐れがあって、したがって不健全であると指摘しました。

しかし、これらは非常時の特殊要因であって、実は根底にもっと普遍的な理由が存在しています。せっかくなので、この機会に簡単に書いておきます。

解説】アフターコロナに起こりやすい「倒産の傾向」

 

とりあえず最初に挙げておくべき理由は「手形取引の減少」です。

近年は業種を問わず、手形取引をやめて期日厳禁取引に変更するケースがかなり浸透しています。

かつては受取手形に裏書きして他の支払いに充てる裏書譲渡手形も多かったんですが、手形自体の減少で連鎖倒産がなくなりました。

なお、経済産業省は紙の約束手形を2026年までに廃止する方針を発表しています。

また「金融緩和政策」も倒産が減った大きな理由といえます。

景気対策で大量のお金が刷りだされていて、ゼロ金利政策で資金調達コストも低下しました。ただ銀行は、ゼロ金利では貸し出しで儲けが取れず、経営内容が悪い企業への融資は御免こうむりたい。そんな銀行に代わって、保証協会の保証付き融資、政府系金融機関の融資が増えました。これで倒産を免れた企業も少なくないはずです。

取引信用保険やファクタリングの発達」で貸し倒れリスクが軽減されたことも重要です。今や「保険が掛かるかどうか」、「いくらまでなら掛かるか」が取り引きの判断材料に活用されるようになりました。ただリスクを肩代わりする保険会社の負担は大きくて、不況業種は端から相手にされないこともあるようです。

長期にわたるデフレで「経営者の慎重姿勢」が強まったことも影響しています。

経営者の多くが積極拡大策や設備・在庫投資を手控え、身の丈にあった商売を指向する傾向にあります。業績アップを目指して増産しても、見込み違いで大量に売れ残ろうものなら悲惨です。不漁在庫は倒産に直結しやすいので要注意です。

他にもABL(動産・債権担保融資)など資金調達の多様化、M&Aなど事業承継手段の発展、再生ファンド、在庫処分代行業者の登場など、これだけ要因が揃えば倒産の減少はもはや必然なのかもしれません。

なお、その一方で目下「廃業」が急増しています。・・・

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