リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

昨日、テレビでアニメ映画を観て、思ったアニメ業界の闇。

昨日、テレビで「ハウルの動く城」を見ました。

 

コロナ禍にあっても活況を呈する日本のアニメ業界。

昨年は劇場アニメ「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」 が大ヒットして、日本歴代工業収入第一位に輝きました。

また、先日公開された 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」も公開初日の興行収入が8億円を超える記録する好発進。

日本動画協会の「アニメ産業レポート2020」によると、2019年のアニメ産業市場は前年比15%増の2兆5112億円と10年連続で伸び続けています。

にもかかわらず、アニメ業界では「ブラック労働」の噂が絶えません。どうやら構造的に末端のアニメーターに利潤が回ってこない仕組みになっているようです。

とあるアニメーターがアニメ業界の闇をツイッターで語ってるんだが ...

それは広告代理店やテレビ局などが出資する「製作委員会」が、アニメ産業市場の半分を占める海外売上やグッズ販売などのライセンス利益を独占しているためなんです。

アニメ制作会社の売上げを推定した狭義のアニメ業界市場はたたの3017億円であって、アニメ産業市場全体のわずか12%に過ぎないんですね。作品がヒットしても出資していない制作会社に還元されることはありません。現場の力に頼っているにもかかわらず、利益の分配は後回しなんですね。末端の製作現場は深夜アニメの粗製乱造に追い回されて疲弊しているんです。

アニメ業界の闇…、クールジャパンに潜むブラック話が洒落にならないと ...

日本アニメーター・演出協会の「アニメーション制作者実態調査書2019年」を見ると、アニメーション制作者の年間収入は平均440万円となっている。

これはプロデューサーや監督も含めた金額であって、大半のアニメーターはフリーランスで、厳しい出来高制ものと年収300万円が精一杯。20代で月15万程度。技量未熟な新人は月10万円以下もザラ。

彼らは大好きなアニメの仕事がしたくて業界に入ってきた達人です。たとえ低賃金でも「世界に冠たる日本アニメ」の誇りを持って働いていて、ブラックであることが認識されない構造が上手く利用されている。今日の日本のアニメ産業の活況は彼らの過酷な賃金労働に支えられているのが実情なんですね。心が折れて辞めてしまう人も多い。

だからといって、製作委員会が全部悪いわけではないんで。これは資金集めと失敗のリスク分散を目的とした企業出資形式の製作グループで、リスクを負った出資者がリターンを得るのは当然ですね。

ならば、アニメ制作会社が自ら製作委員会に出資して主導権を握り、リスクを張ってオリジナルアニメを作ればよろしい。作品がヒットすれば制作会社の取り分も増え、アニメーターに働きやすい労働環境と高い報酬で報いることが出来るはずです。

「ヴァイオレッテ・エバーガーデン」の京都アニメーション、「シン・エヴァンゲリオン」のカラー、人気原作の権利をおさえた「鬼滅の刃」のユーフォーテーブルが良い例ですね。

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ただ、資金力がない弱小制作会社にはもはや望むべむもないのでしょう。