「河の渡り方」を考えることの重要性について
河の渡り方。
経営コンサルタントの田坂広志氏は思考法の一つとして、「橋のデザインを考えるな。河の渡り方を考えろ」と言います。
問題の「解決方法」で議論が生き詰まったら、改めて「解決すべき課題」とは何だったのかを思い起こす思考法です。
河に渡す橋について、様々な意見が出たとしましょう。
木の橋がいいのか、鉄骨の橋がいいのか。鉄筋の橋もある。
それぞれ一長一短がり、どんな橋にするのかを決められない。
そんな時、本来の課題は何だったのか。
それが河を渡ることであったのなら、河にフェリーを渡しても、河の下にトンネルを掘っても、
河の流れそのものを変えてしまってもいいのである。
解決方法にばかり目を奪われるのではなく、本来の解決すべき課題に目を向けることで、斬新なアイデアが生まれる事もあるという。
コロナ禍で業績が悪化した。、社長は営業部長に「なぜ、売上げが伸びないのか」と尋ねると、「ECが他社に比べて弱い」という理由を挙げた。
社長はEC担当者に「なぜ、ECの優秀な人材が集まらない」と答える。
社長は人事担当者に「なぜ、優秀な人材は集まらないのか」と聞くと、人事部長は「会社のいイメージが低く、広報にがんばってもらいたい」と。広報部長は「業績が悪く、広報予算が減った。営業部長にがんばってもらわないと」と振り出しに戻った。
原因は結果が循環構造となっていて、いわゆる悪循環の典型と言える。
問題の本質はEC強化だけではない。
本来なら商品開発に問題があるのか、店舗における接客技術に問題があるのか、集客力そのものに問題があるのか、さなざまな視点から点検すべきでしょう。
商品の価格設定が正しかったのか、原材料や製品の調達先などについても解決すべき課題があったのかもしれない。ECだけが業績悪化の解決方法でがなかったはずです。
ECが弱い(原因)から売り上げが伸びない(結果)という単純な因果関係だけで業績を評価する経営者は少ないだろう。弱い部門はきっとその他にもあるからです。
どの部署が問題なのかを探る犯人捜しを行っても、結局各部署が責任逃れをするだけである。
そうではなく、解決すべき全体の問題をまず整理し、それぞれの部署で吟味し、そこから何ができるのかを積み上げいこことしか、これから先の世界には進めそうにない。
そもそも問題のありkじゃさえ見えないのであれば、解決方法の議論を繰り返す意味はないんです。コロナ禍がもたらした課題は何であったのか。
今、目の前に壁があるなら、さまざまな視点で問題を見直してみることも必要でしょう。