リョウガのページ

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ソロメオ村という社会モデルについて

私は世界の美に責任を感じた。

イタリアに持続可能な職人の村「日本も地方に本拠地を」:朝日新聞デジタル

これは永遠の概念に最初に言及した古代ローマハドリアヌス帝の言葉です。

まさにソロメオ村で営まれている現実とぴったり一致します。

ソロメオ村では、生活と仕事の各所にシンプルな美が息づいているという。

イタリアのペルージャ市近郊のこの村は高級カシミヤニットブランドで有名な「ブルネロ・クチネリ」の本拠地です。

自然に囲まれたソロメオ村は人口500人ほどの中世の雰囲気を残す村でした。

クチネリ社が1985年に古城を買って修復し、本社を移転しました。村の古い工場を改築して、現在は近隣を含め1000人近い雇用を実現しています。村にものづくりの学校を設立し、職人を育成。劇場、サッカー場、果樹園も作り、村と企業とがともに発展してきました。クチネリ社のHPは「人人間主義的経営により社会と人間のニーズを両立させた」と紹介しています。地方に根ざした現代的な村型企業です。

人口減少・高齢化は地方の疲弊を加速する。日本では、東京はの一極集中が進んできました。このコロナ禍でやや弱まったかに見えるが、大きな流れはそう簡単に変わらないでしょう。

大都市圏の関西でも人口流出は明らかで、2018年の時点で兵庫、京都、奈良は転出超過の状況にあります。かつて九州圏にお人は関西に集団就職していましたが、今は関西を飛び越えて直接東京圏へと向かう人の流れになっています。企業数が多く、働く場所が多いことが地方の若者を集めて、取引先多いことを理由に転勤族も増えています。

こうした地方の人口の流出が続けば、その自治体は消滅しかねない。住民の高齢化だけが問題ではありません。人口減で地域経済が衰退し、税収が減れば、様々なサービスができなくなっていきます。地域の中で食料品店、ガソリンスタンド、病院といった生活基盤が撤退すれば、暮らしが滞る。そうした生活と仕事の悪循環の懸念はすでに現実化しています。

2017年4月には、静岡市でさえ政令指定都市の目安であった70万人を割ったと問題になりました。当時、静岡市長は「大きな危機感として受け止める」として、国際会議や展示会、企業誘致に努めると話していました。

ソロメオ村は、「ブルネロ・クチネリ」というファッションブランドとともに、人間が暮らしやすい町としてブランド化されたています。それは大量生産・大量販売の追求ではなくて、その町に見合った無理のない生産活動を行い、住民同士が助け合いながら、次の世代も育てていく社会モデルでもある。会社の関係が、日々の生活につながることを嫌う人には住みづらいかもしれない。

それでも箱ばかり作る地方創生よりも将来性はあるでしょう。