11月3日 文化の日・・・休日
何もすることがなくて、テレビをボーと観ていた。
土日じゃなくて、おもしろい番組もない。
ふと、BS放送にチャンネルを変えてみた。
すると、映画がやっていた。・・・「バックトーザフューチャー」
字幕スーパーもあって、英語の勉強がてらに観ようと思って・・・・
少し昔の洋画ですが、なんだか若い頃のことを思い出して観てしまいました。
マイケル・ジェイフォックスの若い頃のシーンがとてもよかった。
マイケルジェイフォックスはその後、パーキンソン病という難病におかされて体が不自由に動かないことに。
この頃のマイケルを見ているとなんだか切なくなってきて、昔の思い出とあいまって複雑な気持ちになりました。
彼は何を今思っているのでしょうか。
当時のことを面白おかしく語っているのでしょうか?それとも二度ともどれない時間に涙をこぼしているのでしょうか?
暇な祝日に、突然現れた重くて懐かしい感情に一日を過ごしました。
アル・レオンというハリウッドのアクション俳優を知っていますか?
映像を一目見、「ア、こいつ知ってる」って思い出す人も少なくないでしょう。
その姿はアジア系のチビで、マイケル・ジェイフォックスと同じ、禿げ上がった額、ザンバラ髪、特徴的な髭。
まるでチンギス・ハーンか怪人フー・マンチュー、スタートレックのグリンゴン人を彷彿とさせるインパクトの強い風貌。
まさに欧米人が抱くステレオタイプの悪役アジア人そのものなんです。
彼の役回りは殺し屋とかテロリストばかりで、アクションシーンでちょこまか動き回ってはすぐ撃たれる「殺され役」。
セリフなんてほとんど無い。
代表的な出演作といえば「リーサル・ウエポン」や「ダイハード」、高倉健や松田優作も出演した「ブラック・レイン」など多数。
TVドラマ「24-TWENTY FOUR-」もの出演しました。
アル・レオンのルーツは不明ですが、名前(Leong =梁(リョン)からして中国系でしょう。
ミズーリ州セントルイス出身なので、19世紀ゴールドラッシュの中国移民(苦力・クーリー)の子孫かもしれません。
英文のサイトによると、ロサンゼルスで北派少林拳を習得して、ハリウッドではグリップという撮影現場の裏方だったらしいです。
グリップとはカメラを載せた台車やクレーンを人力で動かす仕事なんです。
そこで監督から出演者にマーシャルアーツの指導を頼まれたことがきっかけでスタントマンになり、アクション俳優の道を進むことになったそうだ。
しかし、競争社会のハリウッドでアジア人俳優がそう簡単に売れたりはしません。
そこで彼は一計を案じて、アジア人への偏見を逆手に取ってあえてステレオタイプの容姿に徹することにしたんですね。
するとこれが受けて映画に使ってもらえるようになり、カルト的な人気となったんです。
ところで、毎日新聞の伊藤恵里奈記者によると、南カリフォルニア大学アネンバーグ校が2007年から2019年までの興行成績100位以内だった映画、
計1300作について調べたところ、セリフがあるアジア系俳優は全体の5.9%で、主役級はたった3.4%に過ぎなかったそうです。
演じた役を分析すると、約2割が外国語なまりの変な英語のセリフで面白おかしく描かれるなど、アジア系俳優が1人の人間として尊重されているとは言いがたい状況です。
今や欧米社会ではアジア系はの根拠のない憎悪が渦巻いていますね。その一方で他者の文化をあたかも自分のものであるかのように扱う「文化盗用」も批判の対象になっていますね。
アル・レオンは現在69歳で、第一線を退いています。
もし彼が今のポロティカル・コネクトネスで不寛容な時代に現役だったら、「差別や嫌悪を助長する」として容赦ないバッシングにさらされて、
アクション俳優として日の目を見ることは無かったのかもしれませんね。
この日はなんだか昔大好きだった(今も)映画の世界を垣間見ることになりました。
よかった、今日は。