リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

オキシトシンと共感

オミクロン株の出現で、感染者の数がまた増えてきています。

 

悲しくも、新型コロナは人々を分断しています。

 

コロナ後の社会に求められるキーワードは共感ではないでしょうか。

 

人の悲しみにともに涙する、人に寄り添い相手を援助するといったイメージですが、

 

こうしや思いやりだけではなく、赤ちゃんがにっこりと笑うと、こちらも微笑んでしまうといった表情模倣も共感です。

モラルの起源で、共感という感情は群れを作る動物に広く見られる、現象といいます。

 

片側の音さを鳴らすと、もう一方の音さも鳴り始めるといったさざ波のような同期化

(共鳴現象)が、相手との相互作用として起きます。

 

人間は無意識に相手の動作や表情をコピーすることで、相手の意図や感情を理解しようとするようです。

 

痛みも伝染します。毎日のようにワクチン注射の映像を見ていると、他人であっても

 

自分も痛いような気分になることがあります。他人が経験した痛みが、自分の痛みとして神経処理されるためです。

 

この情動(怒りや悲しみなどの感情)伝染と呼ばれる現象は人間だけでなく、

 

犬や猿、ネズミなどにも認められています。自分が好ましいと思う人ほど情動伝染

 

するようですが、嫌いな人に対しては起こりにくいという実験結果も出ています。

 

この情動伝染に関わるホルモンとして、最近、オキシトシンの働きに注目が集まっています。

 

母子間の愛着、異性間の結びつき、友人との親和行動など、相手との絆作りに寄与すると見られています。

 

オキシトシンを投与された犬は、飼い主の前に座って目をじっと見つめるなどの顕著な

 

親和行動を示します。自分の犬にじっと見つめられると、飼い主もオキシトシンの分泌量が増え、相互で愛着行動がさらに増す。

 

犬が家族になるには、こうした情動伝染のプロセスを繰り返した結果でしょう。

 

オキシトシンは仲間に対して利他行動(自分の損失を顧みず、他者のためになることをする)を促すという研究もあるようです。

 

良いイメージのある共感ですが、他者の緊急場面を見ると、自分も一緒に苦しくなって

取り乱してしまうこともあります。

 

子供が悩んだとき、その苦悩をそのまま引き受けてしまう親ほど、情動に圧倒されて適切な援助やアドバイスができないといったケースです。

 

情動的共感は自他の壁をなくしてしまう。自他間に壁を設ける自他分離的なクールな共感を、認知的共感と呼びます。

 

これは有能な医者や行政担当者などに必要な条件です。

 

災害時には被災者の相互扶助の精神やボランティアの存在が救いとなります。

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