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「モスクワ」巡洋艦沈没の教訓

ロシア戦勝記念日が始まりました。

 

軍事パレードでは、航空機の飛行はありませんでした。

 

おそらく、ウクライナ戦で大きなダメージがあったのかも。

 

特別軍事作戦は上手くいっていないようです。戦争宣言とは言わなかった

 

方が良かったのかもしれませんね。プーチンさん。

 

4月13日には、ロシア海軍黒海艦隊旗艦「モスクワ」がウクライナ軍の

 

対艦巡航ミサイル2発命中して沈没。首都名をかざした主力艦の喪失も

 

ロシアに大きな心理的ダメージを与えたはず。

 

「モスクワ」も搭載されていた艦隊防空ミサイルシステムS-300Fは、

 

12目標を同時に追跡し、そのうち6目標を攻撃できる同時多目標交戦能力を

 

備えていたんですが、西側のイージスシステムほど高度ではなくて、トルコ製の

 

イラクタルTB2という軍用ドローン3機の陽動にまんまと引っかかった。

 

「モスクワ」の防空システムは前方180度の範囲でしか最大限能力を発揮できないんです。

そのため、接近する空中脅威に艦首を正対させたところ、がら空きとなった側面に

 

ミサイルが命中。これもCIAの潜入による戦略がすごい。

 

ロシア海軍海上戦闘ドクトリン(得意戦法)は、旧ソ連の冷戦時代から何ら変わっていないんですね。

 

1950年代、ソ連海軍はアメリカの空母任務部隊を撃破するために、第二次世界大戦

 

日本海軍のカミカゼ攻撃を大いに参考にしていたんですね。有人特攻機をミサイルに

 

置き換えて、重武装の特攻艦を使って高速で肉薄し、敵空母目掛けてありったけのミサイルを一気にぶちまける飽和攻撃を仕掛ける。

 

その後は一目散に逃げ去るヒットアンドアウエイ戦法なんです。

 

これを実現するために、艦の設計は最大限の第一攻撃能力を発揮できる高速・重武装

 

最優先としたんですね。前方投影面積が最小となるスリムで小型の艦体に、多数の

 

兵器をてんこ盛りに搭載したんです。大型ミサイルの発射筒は艦内に納まりきらず、

 

甲板上に剥き出しに並べられた。再装填は不可能で一度撃ったらおしまいでした。

 

防御はあまり考えられず、防水隔壁も少なかった。兵装などの儀送品をぎっしり

 

詰め込んだため艦内空間は乗組員が身動きできないほど狭い。航海中に故障しても

 

故障箇所には近づけず、軍港に戻らないと修理も整備もできませんでした。

 

さらに、ソ連ロシア海軍の活動は不活発で、平時は艦艇の85%が軍港に

 

停泊していて、乗組員の練度を高める機会も少なかった。指揮統制は硬直化し、

 

上意下達の徹底で個人がイニシアチブを発揮する余地が無くて、実戦での予測不能

 

事態に現場レベルで柔軟な対応でできなかった。戦闘で損害を受けてもダメージ

 

コントロールもままならず、「モスクワ」がたった2発のミサイルだけで沈没した

 

理由がうかがい知れるというものだ。

 

「モスクワ」は1982年に竣工した艦暦40年にもなる老朽艦、あちこちガタが

 

きていたに違いない。ソ連崩壊後の財政難で補強工事やこまめなメンテナンスを

 

怠っていあtんではないでしょうか。設計自体が古く、重装備で構造的に無理があった

 

のかも知れないですね。ミサイル命中と爆燃の衝撃で発生した歪みから浸水し、

 

排水もろくにできなかったんでしょう。

 

最後に「モスクワ」沈没の教訓として、システム構築に際には欲張ってなんでもかんでも強引に詰め込めるのではなく、設計に余裕を持たせることが肝要。

 

こんな、兵器でウクライナに勝てるんでしょうか?

 

ミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没 ロシア黒海艦隊の中心的存在 ...