梅雨入り
ついに梅雨入りです。
関東甲信越が5日、その後九州と平年より1日早く、九州南部より早い入梅は17年ぶりだそうです。
関西はまだですが、明日から雨です。
梅雨前線は北側の春の空気と南側の夏の空気の境目にできます。
暖かい空気が冷たい空気層の上にはい上がるのが天気の基本。このため、上空の
前線は地上の前線よりも北に位置して、雨雲は地上の前線よりも300キロほど
北側に発生しやすいといわれています。
梅雨は洗濯物が乾きにくくて困る、と ぼやけるうちはいいんです。
30年に1度という異常気象が毎年起こる時代は、梅雨時の雨も異常多雨とならないか
心配になります。
温暖化で気温が上昇すれば空気中の水分量が多くなって、大雨を引き起こすからです。
とくに局地的な大雨はあっという間に水が低地へと流れ込んで、家屋が水浸しになる。
国や都道府県が公表している洪水による 浸水想定区域図は、これまで100~200年に1度の大雨を想定したシミュレーションを作ったんですね。
NHKは全国の自治体からこの情報を収集・分析して、何と4700万人、人口約4割の人が浸水域でくらしていると発表しました。
うち1300万人は1階部が水没する土地です。
沈下橋(ちんかばし)と呼ばれる橋があります。洪水時に橋面が水面下になる橋をいいます。
高知県の四万十川流域に多く、橋げたは単純な構造で、流木が引っかからないように
欄干(らんかん)のない橋もあります。大雨の時は使用できませんが、押し寄せる水に
逆らわず、シンプルな構造のため被害を受けても修復が早い。
高度な技術ではありませんが、自然に逆らわない橋なんですね。頑丈に作りすぎると、
流木や土砂が水をせきとめてしまって、周辺に洪水を引き起こすことがある。
自然と対決しない知恵という点では、霞提(かすみてい)もあります。
洪水の多い大きな河川の堤防で、堤のところにわざと切れ目が作ってあります。切れ目は川の流れと反対の方向に開いていて、水はこの切れ目から遊水地へとあふれでてとどまります。
洪水が終われば、水は自然に川へと戻る仕組み。遊水地は農地で、肥沃な泥が残される。
雨は嫌いですが、空梅雨となれば農作物への影響は大です。農家にとって、梅雨は慈雨。
降るべきときに降る。照るべきときに日が差す。そいした周期で、自然の中で人間は
共生してきました。
とはいえ、仕事など、通勤、外回りは、黒い雲、雷鳴、急に涼しい風が吹く、という
大雨のサインは見逃せないですね。