流行に敏感になれ。
すでに実践している人にしてみれば釈迦に説法であるが、流行に敏感でなければチャンスや儲けとは無縁の人生になってしまう。
流行に敏感とは、常に流行を気にかけているということである。
とはいえ、流行モノ(服、CD、靴、本等)を次々と買い集める行為のことではありません。
そんなムダ遣いばかりしていたらお金など貯まらない。
そうではなく、流行を事前に察知することを、ビジネスチャンスにつなげるのです。
いつも見ている刑事ドラマの中の1話に、
流行に敏感すぎる犯人の心理を逆手にとって主人公の刑事が事件を解決する話があった。
その犯人は投資顧問会社の社長。敏腕として業界では有名。
資産家の顧客を数多く抱えている。
ところが、金銭トラブルが原因で顧客を殺してしまう。
刑事にアリバイを聞かれた社長は、その時間は社長室で仕事をしていたと答える。
社長氏室にいる様子を見たという社員もいた。
社長に室に置かれた何台ものテレビにはニュースばかり流れている。日頃から情報収集を怠れない仕事だということは刑事にもすぐに理解でした。
ところが、アリバイがはっきりしない空白の時間が1時間ほどある。それだけあれば犯行現場との往復は可能。
動機も見つかり、刑事は社長の犯行だと確信した。
そこで刑事の計略だ。
刑事は行きつけの料理屋へ社長を食事に誘う。
その時、料理屋のテレビに流れるトップニュースはサミット関連の話題。
ある国の女性首相がインタビューに答える様子が映る。
そのニュースを見た社長は、急用ができたと言って会社へと返す。そして、社員に対してある企業の株を買い集めるよう指示を出す。
その社長の発言を隠れて聞いていた刑事が、やおら現れて言った。
「やはり、あなたが犯人でしたか」と。
実は社長が料理屋で見たニュース映像は録画。刑事が料理屋に頼んで、ビデオデッキで再生してもらったものだ。
そのニュースは被害者が死んだときにテレビで流されていたもの。そこに登場する女性首相のインタビュー内容が重大なのではない。
女性首相が持っているバッグがポイント。
バッグのメーカーは上場して日が浅いが、外国の首脳が持つようになったなら、将来はかなり有望だ。もし、社長が犯行時間に社長室にいれば当然そのニュース映像を見ており、すぐに当該株を買う指令を出していたはずだ。
それがなかったのは何故だと刑事に迫られた。
刑事のワナにかかった社長はついに犯行を自白する。
顧客の信頼をつなぎとめたいというプレッシャーに負けて、身を滅ぼすことになってしまった。
ニュースや新聞報道だけでなく、街中を歩いている時に見聞きしたちょっとしたことからも投資を考えるクセをつけておけば、チャンスは広がっていく。
流行に敏感になれ。