コップの水
経済対策の歳出として29兆1000億円。
うち物価高騰・賃上げに12兆2000億円。
物価高対策を柱に、電気、ガス、ガソリンなどの家計負担を軽減するらしい。
円安を活かした稼ぐ力、に4兆8000億円、
新しい資本主義の加速として、6兆7000億円投。
政府はこの経済対策の裏づけとして22兆8000億円の国債発行を追加するようです。
大規模な国債発行に頼る歳出が続いています。
財政出動と聞けばきこえがいいんですが、国債は政府の借金で、債務の増加は将来
重い負担となる。賃金が上がらず、物価は上昇。日米の金利差による円安進行も反転しそうにありません。
もし日銀が利上げに踏み切れば、コロナ禍で借金の増えた中小企業や住宅ローンを
抱えている家庭の負担増は間違いない。
目先の対応に終始して、政府は財政再建を先延ばししている。
景気感も国民の生活実感と乖離してきました。
アベノミクスの恩恵を受けた企業や人は、確かにいあるでしょう。しかし、大半の人
にとって実質賃金は伸び悩み、G7の中で日本だけが賃金低下しています。
振り返れば1991年のバブル崩壊。銀行の不良債権問題が金融システムを揺るがして、貸し渋りを始める始末。
企業の倒産は拡大して、失われた20年に突入。
20年もの長期化したのは、政府や企業が問題を先送りしてきたから。
少子高齢化が社会保障費を膨張させる問題も昔から懸念されてきたこと。
抜本的な対応策は講じられてきたんですかね。
出生率を上げる努力は、選挙前の一時的バラマキと違うはず。
結婚できない経済的制約、子育て環境の未整備、教育費高騰。
安易な歳出を積み重ねてきた結果、年金や国民健康保険料、消費税といった国民負担
を引き上げる動きが今後も現れるでしょう。
コップ半分の水という例え話があります。
もう半分しか水がない、ととらえる人がいれば、まだ半分も水がある、と思う人。
同じ水量でも、人によって解釈は違うとうい例え。
苦しい現実を直視しないのは、人間の本能です。自分の都合の良い情報ばかり集めて
しまうのも人間の本性。
ポジティブな情報を聞きたがり、ネガティブな情報は受け流す。
その方が幸せな気分になれるからです。だけど、そうして先送りした問題を一体誰が解決するんでしょう。
それは自分ではなくて、次の世代と言うのなら、あまりにも無責任。
コップの水は・・・・。