そのカフェ シニア集まる? 脳科学で居心地改善シニア必見 コメダ珈琲 コナズ珈琲の戦略
家の近くにある「コナズ珈琲」に久しぶりに行ってきました。
このあたりには似合わない、ハワイアンカフェですが、お年寄りのお客がたくさんいて生協でした。なんか、雰囲気と違うなあとおもいなががら、ハワイアンカフェを頂きました。
せっかくだから、 退職者のよく集う場所について脳科学的に掘り下げて見ましょう。
2004年に発表した拙著で「退職者のための第3の場所」の例として、
シカゴにある「マザー・カフェ・プラス」を取り上げました。
それ以降、多くの企業がこれをまねて「〇〇カフェ」や「××サロン」を立ち上げたがことごとく苦戦しています。
苦戦の大きな理由は、シニア向けカフェを平場のラウンジにしてしまうことにあるらしいです。
なぜなら平場のラウンジには人が集まりにくいからです。
広い空間は周りに隠れる場所がなく、敵から丸見え。
そのため、脅威を感じとり防衛行動に移す本能を持っている。
それをつかさどっているのが扁桃体と呼ばれる脳の一部です。
恐怖心や不快感を感じた扁桃体は、防衛のための信号を出す。
それが興奮性の神経伝達物質(アドレナリン)を多量に分泌させ、落ち着かなくなるのです。
人は周りに囲いがないところでは、なりくしゃべりたくないんですね。
だから、平場のラウンジは居心地が悪い。
高齢者施設でも認知症の人は大部屋では落ち着かず、情緒不安定になる例をよく見かけるが、これも同じ理由なんです。
こういう原理がわかると、居心地の良い空間を作るにはどうしたらよいかがわかる。
例えば、
シニアに人気の「コメダ珈琲店」は、
ボックス型に区切られており、山小屋のような雰囲気で空間に凹凸が多い。
凹凸が多いと、隠れたり寄りかかったりする場所が増えて落ち着くんですね。
話し声が適度に吸収・拡散しやすくなり、話しやすい。
トリドールホールディングスが運営する「コナズ珈琲」は、
ハワイの休日をイメージしたアットホームな雰囲気が人気です。
コメダ珈琲のようにボックス型に区画が区切られていないが、多くの植木や
ハワイアングッズが空間に凹凸をつくり、長居をしても違和感はない。
各テーブルからぶらさがた白熱灯風の照明が、空間の凹凸感をさらに増しています。
コーヒー豆と輸入食品を扱うキャメル珈琲の「カルディコーヒーファーム」も独特の凹凸感を持つ人気店舗です。
店のディスプレイは穏やかな曲線状になっており、天井近くまで商品が陳列されている。
曲線を多用した店舗デザインは西洋の図書館をイメージしたとのことです。
スーパーやドラッグストアなどに多い直線的なディスプレイとは異なり、買い手である人間との心理的距離感が近くなり、思わず手に取って見たくなる空間。
これらの店舗の設計者が脳科学的な知見を持っていたかは知らないが、こうした理屈ををあらかじめ知っていると、設計における試行錯誤に幅が少なくなり消費者にとっても心地よい商品・サービス開発が効率的に可能になるんです。
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