「余白」こそは私だけの世界
こんにちは。
せわしない毎日、何かに没頭する時間ってなかなかとれないですよね。
そんなとき、無地のものに向き合う人が増えてきています。
真っ白なカレンダーに毎日模様を描いたりビニール傘を真っ黒にしたり。
一心不乱にペンを走らせれば、あら不思議。自分だけの世界が開けてくる。
一気にやっちゃいたい人にはスプレーの塗料も人気。
日々のうっ憤もスッキリ。
心のスキマをぜーんぶ塗りつぶせ。
100円ショップで買ったシンプルなカレンダーに模様を書き込むのが日課の人もいます。発色がいいマーカー「コピック」を使い、細かい幾何学模様を少しずつ書き込んでいきます。日付が印刷されただけだったのが、1か月が終わる頃には線で埋め尽くされる。
5月はこいのぼりをイメージして。
6月は日付一つ一つに花のような模様を描き、アジサイに見立てる。
「仕事や人間関係で認められるのは大変だけど、好きなことをやっているときは誰にも認められなくてもいい。」
カレンダーに模様を掻き込むひと時は、自分でいられる時間なんですね。
カレンダー以外にも木でできたボールペンに描いてオブジェにしたり、Tシャツをデザインしたり。
インスタグラムに作ったものをアップして同じ趣味の人とつながると、「それだけで幸せだなあ」みたいな。
白いキャンバス地のスニーカーを油性のペンで塗りつぶし、休みの日に履いて歩いてみたり。
作業中は無になる時間。やると決めたら自分ではないほどに没頭する。
その時がいつ訪れるかは本人にもわからない。
気まぐれなやる気を身に任せ、油性ペンと自分の世界にのめり込む。
一見ギョッとするほどに一面真っ黒に塗りつぶされたビニール傘。
作ったのは、7歳の男の子。6月に傘の画像をツイートしたところ、1万件以上の「いいね」が集まった。
放課後に通う学童クラブでビニール傘に好きなものを描く時間に作った大作。
ほかの子はカラフルな絵を描く中、彼はインクを地面に塗り合って対戦する人気ゲーム「スプラトーン」のアイテムの真似をして、油性ペンで集中して一気に塗りつぶした。
「塗っているとき気持ちよかった買った傘よりいいなと思う。」と笑顔で話す。