リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

苦心と苦闘からなる日本語 RFID

f:id:yasuhirokamei0912:20190924115019j:plain


こんにちは。

アパレル業界等の在庫管理で大いに活躍している「電子タグ」、非接触型で商品の在庫・入庫・出荷などの棚卸がこれによって大いに効率化されていて、在庫管理にとどまらず多様な用途に発展が見込まれています。

しかし、電子タグを「RFID」ということを知りませんでした。

Radio Frequency  Identifier  の頭文字をとったもので、直訳すれば「無線・周波数・本人確認機」とでもなるんpでしょうか。初めての人は「RFID」と聞いても何のことを指すのかわからないでしょう。漢字ならおうよその見当はつきますが。

アルファベットで頭文字表示されているものは、その原語に立ち返るだけで、その言葉の意味が明らかになることが多い。

たとえだ、有名な「ナスダック」市場。

これはNationl Association of Securities Dealers Automated  Quotations の頭文字、「証券業者の店頭銘柄の扱いを電子化して公明正大に公表して行う組織」という意味で、歴史のあるニューヨーク証券取引所より遅れてスタートしたナスダック市場の心意気がよくわかる名称だと思う。最後の2文字「AQ」に力点が置かれている。

我が国の先人たちは、古代より外国の先進文明からたくさんの新しい概念や発明品を受容して、それをえんえんと日本語にそしゃくしてきた。

最初の文明ショックは中国から伝来した宗教(儒教、仏教、道教)。

初めは、まったく新しい概念であるから、それこそチンプンカンプン(珍聞漢文)であったと思う。

その次の大波は、幕末・維新のころの西洋文明の到来。圧倒的に先進的な、しかもまったく異種の文明のモノが一挙に大量に「襲来」してきた、それも人々にある種の恐怖心をもたらしながら。

中国アヘン戦争(1840~1842年)のような植民地になるかもしれない危機。

その時、先人たちの苦闘の跡が、今の私たちの言語生活を豊かにしてくれている和製漢語であります。民主主義、経済、歴史、哲学など。

外来の横文字をそのまま通用させるのは安易かもしれないと思う。

「初めに言った言葉があった。ことばは神と共にあった。」(ヨハネによる福音書)、言葉は単なる符ちょうではなく、そのものの本質に迫るものである。

横のものをタテに翻訳することで、そものの意味や意義が理解できる。アーネスト・ヘミングウエイの長編小説”For Whom the Bell Tolls "を「誰がために鐘は鳴る」と訳したのはシンプルで大変いいと思う。

しかし、この場合の鐘はお祝いの鐘かとむらいの鐘かは、日本語ではあからない。

実は”Toll"はとむらいの鐘を鳴らすことなのである。

翻訳上は難しい。先人たちの、苦心と苦闘の上に現在の日本語はあるのだと思う。