権威・日本の格付け・国債はいかが
テレビの料理番組で、ある飲食店が取り上げられていた。
その店は地元では有名人気店でいつも行列ができている。
その店を取材するため色々な媒体が次から次へとやってくる。
世界的な権威があるとされているガイドブックも取材に来た。
しかし、その店はそれらの取材を全て断っている。
威厳に弱い日本人はたいてい、取材を断るなんてもったいない
話だが、との反応を示すだろう。
店側の言い分は「うちは地元の皆さんに愛されている店。
そんなものに載せられてもらって外からのお客が増えたら
地元のお客が店を利用できなくなってしまう。」
威厳があるガイドブックはもともと、旅行客が異国の地でどこに泊まったらいいかなどを案内するもの。当然土地勘が
ある地元の人は使わない。なのに、いつの間にか権威が
独り歩きするようになった。今では、これに記載されて
”三ツ星”などと紹介されることを、五輪の金メダルと同等視し
ている雰囲気だ。都会のど真ん中で営業している店はともかく
地元密着でやってきた店にとっては、権威など迷惑以外の
何者でもない。
金融界にも似たようなことがある。”格付け”というやつ。
世界には大手格付け会社が3つある。ここ4年ほど3社が
日本国債の格付けを引き下げたことがあった。
こちらも権威が独り歩き。最上位の格付けを金メダル
と同等視することがごとく報道されている。
こんなものに一喜一憂してはいけない。日本のメディアは
「日本国債が格下された」と報じるが、そもそもこれがウソ。
よく読むとすぐに分かるが、格付け会社が日本という国に対
して「ソブリン格付」というものを勝手にやっていて、
それを格下げしたというのが正確な話だ。
ソブリン格付けとは政府が発行する債券・債務の返済能力と
返済意思の高さを評したもの。国債を格付けしたのではない。
そして先進国の自国通貨建て国、たつ殆どを日本人が購入
している日本国債はデフォルトのしようがない。
以前に格下げされた時に日本政府は格付け会社に強硬に
申し入れをした。
「日本は世界最大の貯蓄超過国かつ、経常黒字国、外貨保有国
である。国債は殆ど国内で消費され低利で調達されている。
(だから破綻しない。世界最大の借金国だから財政危機にあり消費増税が急務ではなかったのか、とツッコミを入れたくなる。
国債が格下げされたからといって国民はメディア以外誰も
騒がないし、気にもしない。
でも格付け会社が権威を持つようになったのはなぜ?
それは、万一何かあったときに「格付けが高かったから
(自分のミスではない)」と言い訳・逃げ道として利用
しているムキだあるからだ。