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ダイソン羽根なし扇風機に学ぶ,現状維持のバイアス

早いもので、もうすぐ扇風機のお世話になる季節がやってきます。

扇風機の歴史は古く、発明されたのは19世紀後半の米国。

それから長い歴史を経て改良に次ぐ改良を重ねて量産化されるようになり、

価格はずいぶんと安くなりました。

ところが、2009年、外国のメーカー(ダイソン)が作った3万円もする

扇風機が登場すっる。

高さもさることながら日本の家電業界を驚かせたのは、この扇風機には

羽根がなかったこと。

以外にも日本の消費者は喜んで買っていた。

これには空気清浄器ファンがついており、空気の汚れ具合いを検知して、

微細な汚染物質まで捕えて、清浄された空気を部屋じゅうに循環させる

という優れものだった。

 

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日本のメーカーの対しては批判の声があがった。

「なぜこういうアイデアが浮かばなかったのか」と。

しかし、実はとうの昔に日本の某メーカーが同じようなアイデア

特許で取っていた。

なぜ作らなかったのか。

やはりそこには、羽根のない扇風機など売れるわけがない。リスクは取りたく

ない。との判断があり現状維持に落ち着いた。

人は大きな変化や未知なるモノを避け現状を維持したくなる。

これを現状維持のバイアスといいます。

 

バイアスとは先入観や偏見という意味。

人はなぜ変化そのものをきらうのか。

現状を変えることのよって、大きなものを失うかもしれないという

不安が台頭する。この不安は、変化によって得られるかもしれない期待を

常に上まある。したがって、どんな社会的地位が高くても、大企業であっても

意思が強い人でも関係なく、誰もが現状維持のバイアスに陥る。

典型的な例としては

・今の会社を辞めようと何度も決心したのに何年もズルズル勤め続けている

・本心は離婚したいのに、いつまでも仮面夫婦

・新規事業のアイデアだけはいくつも浮かぶにもかかわらず、いまだに手を

出せていない。

政権交代しない

 

現状を変えるということは、変化をおこすこと。

変化が起きると失敗のリスクがつきまとう。現状が今より悪化する可能性もある。

批判を受けたり、後悔する結果になるかもしれない。

転職したら収入が減る。

離婚したら世間体が悪い。

新規事業に失敗したら左遷される。

野党に政権を任せて大丈夫か。

まず第一にこんな不安が頭をもたげてくる。

一方、現状維持を選べば、リスクを負う必要はないし、

無駄な労力もいらない。

こうして新しい一歩を踏み出すことができず、ズルズルと先送りしながら

今まで通りの生活を続けてしまう人が大多数である。

人間としてごく普通の心理作用といえる。