マナーの欠如「花粉症・マナー違反」?
毎年恒例花粉症に悩まされる今日この頃である。
対策の第一はマスク。好天の日はほぼ一日中着用している。
さらに外出時は目からの侵入を防ぐため花粉症対策ゴーグル
を着用し、コート、ジャケットは花粉の付着しにくい合繊素材
加えて一日一錠薬を飲み、定期的に目薬をさし続けている。
それでも発作的なくしゃみに襲われる。くしゃみを抑えたくても
抑えられない。できる限り花粉症対策を行なっても完全に防ぐ
ことなど出来やしない、それが花粉症。
先日、ネットニュースで「マスクを着けたまま営業先を回るのは
失礼?」とうい見出しの記事があり、他人事ではないので呼んで
みた。記事では、マスクをしていると表情が見えないことを理由に企業へのリサーチの結果、「花粉症であっても、営業担当者が
マスクをしているのはいただけないとの答えが8割」とし、
「営業担当であるなら、取引先の会社に入る前にマスクをはす
したほうがいい」と結論付けていた。
おそらく、花粉症の苦しみを知らない上に、マナーの本質を
理解していない者がこの記事を書いたのだろう。屋内にも
コートやスーツに付着した花粉が持ち込まれる。誰かが
歩けば、目に見えぬそれは宙に舞い上がる。花粉症患者
の身体は一度花粉に反応すると、くしゃみや鼻水が簡単に
はおさまらない。こんな苦しむ姿を先方に見せては、かえって
気を遣わせて迷惑をかけることになる。無論、マスクをして
いれば、室内で舞い上がる花粉に反応する機会格段に減らす
ことができるし、ひいては先方に気を遣わせることも防止
できる。
ビジネスマナーを重視するというのならば、営業先に着いたら
最初に「失礼かと思いますが花粉症がひどいのでマスクを~」
と言えばすむだけの話である。それが他者への気遣いである。
これは、花粉に限った話ではない。風邪気味の者がマスクを
発作的に襲われる咳をしていては飛まつ感染が広がるだけ
であり、はたしてこの行為のどこに他人への気遣いがあると
いうのだ。風邪気味の者や花粉症の人は家で寝てろというのか。
冒頭で紹介した記事のみならず、ネットで「花粉症、マナー」
と検索すると、同様に「失礼」「マナー違反」「商談中に
マスクなんてあり得ない」と暇がないぐらい出てくる。
このように花粉症で苦し者への気遣いがまるで欠如する
考えかたが、果たして「マナー」と呼べるのだろうか。