リョウガのページ

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ムーミンの魅力

先月16日に埼玉飯能にフィンランドの作家ドーベ・ヤンソンが描いた

ムーミン」の物語をテーマにした「ムーミンバレーパーク」が

オープンした。フィンランド以外では世界初の公式テーマパーク。

7.3ヘクタールの敷地に物語に登場する「ムーミン谷」や「ムーミン屋敷」

をはじめ、アスレッチクやツリーハウスのある「おさびし山」、原作者

トーベ・ヤンソンの作品を紹介する展示施設など4エリアで構成されている。

ムーミンは日本でおなじみのキャラクターだが、これは1969年にテレビ

アニメ化された影響が大きい。1972年に再スタートしたシリーズは

併せて65話まで続き、繰り返し再放送されたのでいまでも主題歌を覚えている

人も多い。その後1990年には原作者のヤンソンも制作に加わった新たなテレビ

アニメシリーズ「楽しいムーミン一家」が日本で作られ、本国フィンランドにも

渡り、世界中でヒットした。

今では誰もが知っているムーミンだが、実は原作を読んだ人はほとんどいない。

1945年から1970年までに刊行された全9冊のシリーズは、児童文学

ではあるが、大人も楽しめる。いや、むしろ大人の方が深く味わえる物語だと

思う。

舞台となるムーミン谷は豊かな自然に恵まれた場所だが、火山の噴火や大洪水

などたびたび大きな災害に見舞われる。

2作目mp「ムーミン谷の彗星」は、彗星が地球に大接近して地球滅亡の危機に

直面するお話。戦時下に書かれたもので、戦争を体験したヤンソンの不安や悲しみ

が色濃く投影されてものといわれている。

冒険ものとして楽しく読める作品だが、その背景を知ると読み方が違ってくる。

ともあれ、自然の驚異にさらされながらも、それを乗り越えいつもの穏やかな

生活に戻るムーミンたちの姿を見るのは楽しいし、勇気づけられる。

登場人物は、ムーミン族、ミムラをはじめとする様々な種族のほかニョロニョロ

やモランなどたくさんの不思議な生き物たち。良い人ばかりではなく、怖がったり

わがままだったり偏屈な人もいる。美しい生き物も、ヘンテコな生き物たちも、

それぞれの違いを受け入れみんなともに生きている。「ムーミンパパ海へ行く」

で、みんなから嫌われている魔物モランとムーミンが心を交わすエピソードがある。

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他者との違いを認め、共生していくという作者ヤンソンの思いが感じられるシーン。

ムーミンが世界で愛されている理由は、こんなところにもあるもかもしれないですね。

 

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