キャッシュレス化への道 パート2
現状では、身の回りではいかほどキャッシュレス化が進んで
いるのだろうか。
あるスーパーでは数年前から独自に電子マネーカードを発行している。
あらかじめチャージして、買い物代金決済時にカードリーダーに読み込ませる。
瞬時に代金支払いができるし、小銭
を探しだしたりする手間がはなく一見便利そうにみえる。
買い物代金が最高2.5%割引になる特典も。
店内にはカードを宣伝するポスターだ多数掲示されいる上
店内放送でも繰り返し勧誘のアナウンスが流れている。
いま、どれくらい普及しているのか。
1時間ほど調査した結果は次の通り。
現金払いの人 172名
非現金払いの人 92名
ほぼダブルスコアで現金払いのひとが多い。
キャッシュレス化は34%。
日本のキャッシュレス化比率は20%
であるから、平均よりは進んでいるといえよう。
でも、スーパー独自のカードの普及率は40%に
達していない。
買い物客の概ね3人に1人しかカードを
もっていない。あれだけ宣伝しているのに。
このような結果になった背景としては以下の点が考えられる。
・偽造が多くて現金の信用性が低い国とは違い、日本では
現金信仰が根強い。
・日本全国、少し歩いたらいつでも現金を引き出せるATM
が必ずある。ATMが必ずある銀行と・コンビニといった
店舗網が整備されていないところにスマホが登場して、
一足飛びにスマホ決済が拡大した国々とは、そもそも
インフラが違いすぎる。
・従ってカード、電子マネーの類には全く関心がない人が
多い。
・各発行媒体が独自に発行しているため、何枚も作ると
財布がカードばかりになりかさばる。
キャッシュレス化比率を高めようとするならば、これらの
点を1つ1つクリアしたらいいが、きわめて難しそう。
ATM網はすでに社会インフラとして確立しているし、
ATMを設置する側にとっては貴重な手数料収入減と
なってしまう。
現金信仰もなくすことは考えづらい。
キャッシュレスかに対して何の興味もない人に対しては
いくら勧誘しても暖簾に腕押し。
各発行媒体によるカード乱立に歯止めをかけて、財布の
中にあるカードの数が3、4枚になったら利便性が向上するが
乱立するカードの集約は無理。
いずこも客の囲い込みが主
目的になっていて、利用者目線に立っていない。
やはりキャッシュレス化への道のりは、はるかに遠いだろう。