「人間の行動には目的がある」「過去は変えられないが、未来は変えられる」が「過去も変えられる」
今日は、「人間の行動には目的がある」
アドラーについて。
アドラー心理学は、フロイドやユングに並ぶ3大心理額といわれています。
まずアドラー心理学には、どのような特徴があるのでしょうか。
フロイトが書斎で思考を重ねたいたのに対し、アドラーはウイーンのカフェでコーヒーを飲みながら雑談をしたり、カウンセリングをしたりと、
「現場」での観察から生まれた心理学です。また、フロイトは原因論、アドラーは目的論と、視点が異なります。
アドラーは理論ありきではなく、観察に基づいて現実との整合性から考察した。この現場での観察を「臨床の知恵」と呼んでいます。
塾で知ったのは、子供が不登校になった原因を探ろうと過去を掘り下げても解決にたどり着けないと。
しかし、アドラーの「人間の行動には目的がある」とうい目的論を用いると、その子が今後どうしていくかの援助ができるようになりました。
現在を未来にどう生かすかというアドラー心理学の考え方がピタリとはまったんです。
未来に向けて行動するには目的が必要
アドラー心理学の基本的考え方の一つ、「自己決定論」とはどういう概念でしょうか。
人間は自分の行動を自分で決められるとうい考え方です。
反対に、生まれ育った環境が影響を与え続ける「環境支配説」があります。
アドラーは、「環境の影響はあるだろうが、支配されるものではない。
人生を建設的に生きるか、非建設的=破壊的に歩むかは、自分で選ぶことができる」と捉えました。
つまり、自分で決定できるという点でポジティブであり、未来志向なのです。
「人生は遺伝・偶然・環境・意志の産物である」とよく言いいますが、なかでも「意志」が大事だと。
「あなたはあなたの人生で何をやりたいのか」という「志」の重要性です。
それは自己決定論と目的論のセットです。
意志があれば、未来志向で動くのです。
一般的には「過去は変えられないが、未来は変えられる」と考えますが、アドラー心理学では「過去も変えられる」と考えます。
過去に大変なことがあっても、現在がよければ「自分の運が良くなる材料になった」と見方が変わる。
現在から未来をポジティブにみれば、過去もポジティブにみることができるのです。
つまり原因論の反対なんです。
たとえば、部下がミスを報告してきた際に「なぜ」と問い詰めれば、心を閉ざしてしまって、その後ミスを隠すようになります。
「なぜ+否定形」を3回繰り返すと、行動の否定ではなく人格否定になってしまうのです。
現象や出来事など、人間の意志が関与しないものには有効な手法ですが、未来に向けて行動するには「何のため=目的」が必要です。
そこをきりわけなければならない。
「なぜなぜ5回」と「目的の5乗」の両方が必要だと思います。過去・未来に対して、現場・現象・出来事、ビジョンに対して両方必要であって、
片方を切り捨てては成り立ちません。
どうしても「何が悪いか」という原因論が中心になってしまいがちですが、しかし、重要なのは「何ができているのか」です。
アドラー心理学には、成果を評価するという「勇気づけ」の発想があります。
ポジティブな側面を見ることが、より良い未来を呼び込むのです。
アドラー心理学の「全体論」とはどういった概念なのでしょうか?
志は夢と実現を結びつけるイメージ
” 分かっちゃいるけどやめられない ”ことを、
意識と無意識、理性と感情、肉体と精神が矛盾・対立し、
意識では理解できても無意識でつい悪い方向に手を出してしまおうと説明します。
対してアドラー心理学は、矛盾・対立ではなく、目的に向かって互いが補い合うと考えます。
つまり、「分かっているけれど、やめようとしない」と考えるんです。
その点では、「できないのではなく、やろうとしない」と突きつける厳しさがあります。自分で無矛盾を作り出すのではなく、統合させて言っていることと行動を一致させようということです。
志とは、夢と現実の乖離を解消する明快なビジョンやイメージです。イメージと行動を一致させるために、「Asif まるでそうなかったのようにイメージし、行動しなさい」といっています。
アドラー心理学は、志の心理学でもあるのです。
目的論や全体論も、理性や感情を一つの志としてイメージすることから始めようということです。
私も、全ては「イメージ」「デザイン」から入ります。出来上がっている姿、あるべき姿を「絵」として鮮明に描けない場合は必ず実行の際につまずきます。
イメージであり、ストーリーであること。映像的というか、描写が具体的であることが、志には大事なんですね。
実際多くの物事はイメージから始まります。理論は計画段階のもので、目的レベルにはビジョンが重要となる。
理論優先になると、無機質になって心がうごかされませんね。
つまりは、志をつくりトレーニングが必要なので、「何のために」を5回考えると、理論を超えた考えになるのです。