リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

緊急事態宣言でわかったクチコミの怖さ

 

自宅の近所にあるスーパーが5店舗、ドラッグストアが4店舗、多数のコンビニがあります。

しかし、2月に入ると全ての店においてトイレットペーパーやティッシュペーパーが全く置いてない状態になって、3月中旬になってようやく入手できるようになりました。皆さんもご承知の通り「産地が中国だから、買えなくなる」とのデマが口コミ(主にSNS)で広がったことが要因です。一説には、規制によりマスクの転売が出来なくなった人が、次の転売商品狙いで流布したデマとも言われている。

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こうしたデマの類によるパニックは枚挙に雛がない。

1973年、ある地方都市の信用金庫で取り付け騒ぎが勃発、1日で預金20億円が引き出された。

きっかけは、女子高生3人の雑談。

その信用金庫に就職が決まっていたA子に対して、B子が

「そこ、危ないよ」と言った。B子は、金融機関は強盗が入ることがあるから危ない、との意味で何気なく言ったのだが、A子は経営危機だと信じ込み、親戚に相談することことに。案じた親戚はさらに色々な人に相談し、そうこうするうちに、どんどん話に尾びれがつき、ついには「倒産する」とのデマが広まって、預金を引き出そうとする顧客が殺到する事態にまで発展した。

石油ショックによるトイレットペーパーの買い占めも同じ年に発生した。こちらもきっかけは小さきことだった。原油の値上げで、紙がなくなるとのうわさが流れていたところ、大阪のスーパーが特売広告に

「(特売を行なうので)紙がなくなるぞ!」と書いた。すると数百人の行列ができて、2時間でトイレットペーパー500個が売り切れて。

これを新聞社が大々的に取り上げたことで、あっというまに騒動が広がっていった。

1995年のある大手信用組合取り付け騒ぎは、結果本当に潰れたのだからデマではなかった。しかし、破綻を決定的にしたのは破綻前日に大口預金者がウン百億円の預金を引き出したこと。がだ、大口預金者というのは1人である。大口引き出しの情報が、一体どこから漏れたのか。払い戻し業務に従事した信用組合職員が、ぽろっと周囲の人に話したのだろうか。そして、それからわずか半日後、信用組合の各店舗に預金を引き出そうとする顧客が押しかけることのになったのだ。その現場をテレビで見たが、あの時の殺気立った光景は一生忘れることが出来ない。

当時はSNSどころか、携帯電話などもなかった時代。それでも、口コミだけで広がるときはものすごい勢いで広まるんです。

そそて現代。社会不安が世の中を覆っているときにおいて、SNSとデマは最強の組み合わせであることを証明した。

「3月末に政府が緊急事態宣言を発令する」との話も、大きな騒ぎにこそならなかったが、同じことだ。デマ、噂の類は、頭や理屈では否定できても、「万が一ホントだったら・・・」となって、抑えがきかないところが怖い。