咀嚼(そしゃく)に関することの奥深さについて
先月、子供がブドウを喉に詰まらせて亡くなった事故が起きました。
なんとブドウです。
バラエティー化が進むテレビのニュースでは、
聞き逃してしまうような取り上げ方しかされないことがとても多いですが
こうした珍しいケースは今後の予防の観点からも少し解説がほしいところですね。
ネットの進化で視聴者が低迷しているラジオではニュースの深さに
こだわる番組が今でも多くて、この窒息事故についても詳しく取り上げられていました。
そこで初めて知ったのが、国が定めた保育施設などにおける事故防止指針では、ブドウやサクランボは窒息につながりやすいため、
給食での提供を避けるように求めているそうです。
ノドに詰まる原因は飲み込む力、嚙む力、に個人差があるからで
柔らかい食品でも、命を奪うことがままあるんですね。
今回は幼稚園での出来事で、注意不足を指摘されてもいたしかたない。
消費者庁が作成した窒息事故が多い食品ランキング知っていますか。
それによると、
1位は想像通り 「もち」。
次いで、ごはん、アメの順で、
パン、寿司、おかゆ、リンゴ、みたらし団子、
バナナ、カップ入りゼリーと続き、
10位以下には、プリン、タピオカ、ヨーグルトといった流動食系までが
危険となると、まさか水もダメ」なのかとなるんですが、
実際に加山雄三さんが水のがぶ飲みで救急車で搬送されるニュースが流れたのも記憶に新しいところ。
運動した後に、ついついとのことらしいんですが、
水を甘く見てはいきません。
とりわけ暑い時期には誰しも経験があると思いますが、
とても危険な行為だということがよくわかります。
食べ物や飲み物が気管に入り込むことを 「誤嚥(ごえん)」 といって、
この際に口腔内の雑菌が肺に入って、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
肺炎は、日本人の死亡原因の3位ですが、高齢者に関して言えば
肺炎の8割以上が誤嚥性肺炎なんですよ。
嚥下(えんげ)機能 (ごっくん・飲み込む機能)だ正常ならば、
咳き込むことで誤って飲んだものを吐き出す事が出来ますが、
年を重ねるほどに飲み込む力が低下していくんで、
吐き出されずに体内にとどまることになってしまいます。
よく嚙んでから飲み込む。
いわゆる 「咀嚼(そしゃく)」 が重要であるいことは言うまでもないですが、何も食事だけに限った話ではありません。
会話であれ、物事の本質であれ、自分なりに噛み砕くことで理解が深まり、結果としてきちんと 「消化」 される。
焦って飲み込んだところでロクなことにはなりません。
なにも早食い大会に出ている訳でもないでしょう。
(私も早食いです・・・)
何事にも、もっと余裕を持って 「咀嚼」 することで、
心も身体も健康になるのでは、と何かに急ぎ立てられるような
毎日を過ごすしながら思った次第です。