パラダイムシフトで生活の価値観が変わった。
昨年7店舗で試験的に行なった家具レンタルの月額定額サービスを、先月15日から182店舗に拡大しましたね。
商品は脚付きマットレス(ベッド)や、テーブル、チェアなどシンプルなものばかりで、1年~4年の年単位プランで提案しています。
面白いのが料金設定で、販売価格2万7900円の脚付きマットレスは1年契約なら月額2140円、4年契約なら同560円。
電卓をたたくと、1年契約で総支払額2万5680円、
4年契約で2万6880円と1年借りるのも、4年借りるのも1200円しか変わらない。
また、販売と1年レンタルの価格差は2320円、販売と4年レンタルの価格差は1020円しかない。
この点をみると、1年借りるよりも4年借りたほうが得じゃないか、
いやいや借りるよりも買った方がいいじゃないか、借りるメリットはあるのか? 一見すると、このビジネスモデルの狙いは見えにくいですが、一部の消費者には魅力的な提案にちがいないんです。
例えば、マットレスの内部はスプリング構造なんですが、人が寝ているときは常に荷重がかかり、経年利用で腰の部分がへこんでくる。
そこで困るのが廃棄。
特に脚付きマットレスのような大型家具の処分は通常、自治体の大型ごみ処理を利用するが、家から指定された場所に運搬しなければならず、一人で運ぶには無理がある。
かといって不用品取引業者を呼べば、数千円の手間賃が加算される。
よって大学生などにおいては、4年契約で借りて4年後の処分価格込みと考えると買うよりも特であるといえる。
また良品計画は、返却された家具はパーツ交換などメンテナンスをして、再び定額サービスで利用するか、中古品として販売する予定で廃棄削減にもつなげる。
今求められている環境に優しいサスティナブルな取り組みでもあって、消費者の共感も得られる。
私たちは、家、車、家具、と生活に必要なモノの所有、ひいてはよりよいモノの所有、より質の高いモノの所有に価値を見出してきました。
それを得るためにローンを組み、自由時間を削って働くこともいとわなかった。
しかし、ここに来て、従来の常識を覆すパラダイムシフトが起きた。
無理して所有しなくてもいい、そのとき必要なモノを必要な分だけ利用する生活でいい。
そうすればローンや労働に追われる生活を送らなくてもいいと。
そんな考えの広がりを背景に、この家具レンタルのように、ビジネスモデルのシフトも求められています。
時代が変わりましたね。・・・対応できる企業が生き残るのかな。