それぞれの特別の日々
それぞれの特別の日々
東京で引きこもりがちだった女子高生の天野アキ(能年怜奈、現のん)が、母・春子(小泉今日子)に実家である岩手県三陸市に引っ越す事から始まった、NHKの朝ドラ 「まあちゃん」。
宮藤官九郎のセンスあふれるこのドラマは2013年4月から半年間放送されて、人気を博しました。
現実の世界でも前田敦子と大島優子の2トップという空前のAKBブームがあって、朝ドラに新しい視聴者を巻き込みました。
2011年3月11日午後2時46分。
ドラマではアキの親友ユイ(橋本愛)の乗る電車がトンネルをくぐろうとしていた時、それは起こった。
長さ500キロにわたる沿岸を襲った巨大な津波と火災。、
さらに福島第一原発事故が重なったことで、終わりの見えない複合火災が始まった。
その東日本大震災から10年。「3,11」は、今も特別な日である。
震災後、ドラマのロケ地となった岩手県久慈市の縫製工場を訪れた。応接室の一部にベニヤ板が張られていました。聞けば津波に流されてきた丸太が応接室の壁をぶち抜いて入ってきたという。幸い、従業員に死傷者はなかったようですが、「生と死の境は紙一重」と話されていました。「義援金より仕事がほしい」とうい工場の社長さんもあられた。「義援金は助かるが、この土地でずっと生きていくには何より仕事が必要。従業員の生活もある」と、取引先からの発注継続を強く願っていた。工場は今も操業を続けるが、昨年から高級婦人服ではなく、マスクや医療用ガウンの縫製が中心になっている。
福島県では津波で電源を喪失した福島第一原発が甚大な被害をもたらしました。1号機の炉心が露出した事で、11日午後8時50分に福島第一原発から半径2キロ以内の住民にまず避難指示。12日午前5時44分には半径10キロ圏内の住民は川俣町へと逃れた。12日午後3時36分に第一原発1号機が水素爆発し、午後6時25分に避難指示は20キロ圏内に拡大、深刻さを増していった。双葉町の住民1200人は19日、さいたまスーパーアリーナへとさらに避難していく。
食の安全問題だけではなく、福島の生地メーカーも震災後は風評被害に苦しめられた。その一方で、都内の取引先が新潟経由で被災地に救援物資を運んできたといった話も出た。
除染、建物解体、インフラ復旧・復興。人々の数ほどこの10年の物語があります。「不安定な再生エネルギーの頼れば、国内製造業は空洞化する」と主張する原発推進派も復活した。
もう忘れてしまったのでしょうか。震災後、日が落ちると、すっぽり暗闇に閉ざされた一帯が、今も残っています。