日暮里の畳店が007ボンド効果に・・・
007・・
10月1日、映画「007ノー・タイム・トウ・ダイ」が公開になりました。
新型コロナで延期が続いて、ようやく公開となりましたが、公開38日目までの国内
興行収入は24億4013万7040円、観客動員数は168万6109人で、
まずまずの成績を上げています。
さて、10月10日付け米NYタイムズのWEBサイトに掲載された記事
「Finally Time For No Time To Die?
The CHAMPABNE S Been on Ice.」によると、
この映画をサポートしているアフィリエイト企業が ボンド効果によって得られる
マーケティング価値は1億ドル(110億円)以上になるんだって。
例えば、ボンドが愛飲したシャンパン「ボランジェ」は、シリーズ8作目
「死ぬのはやつらだ(1973年)」以来の御用達であって、今回のスペシャル・キュヴェ
007リミテッド・エディションを発売して好評を博しています。
また、イギリス老舗バイクのトライアンフは、Tiger900 Bond Versionを250台発売。
高級スポーツカーのアストンマーチンは、往年の「ボンドカー」DB5を撮影用に
復刻生産していて、WEBサイトを訪問する顧客が約30%増加したらしい。
スイス高級時計のオメガは、シーマスター・ダイバーウオッチの007エディションを発売、
ボンド役としては最後の出演となるダニエル・クレイグがデザインを担当したこともあって、コレクターズアイテムとして価値がたかまったそうです。
その他にもアディダス、ランドローバーなど世界的な有名ブランド十数社がパートナーシップ契約をしています。
なかには、パンデミックで公開が延期されるたびに限定商品を発売したり、イベントを開催し直したため、二度おいしい思いをしたブランドもあったらしい。
それだけではなくて、映画のなかでは様々なアイテムが小道具(プロップ)として使用
されていて、正式なパートナーシップ契約を結んでいないメーカーも多数関わっています。
今回は監督が日系四世のキャリー・ジョージ・フクナガで、日本の千島列島が舞台となることもあって、和風アイテムが多く設定されています。
そのなかで注目なのが、東京・西日暮里にある森田畳店。
NYタイムズの記事に言及はなかったんですが、敵の秘密基地の内装に、
森田畳店の畳が112枚使われているんですね。代表者の森田隆志氏によると、
国内での需要低下から海外向けに畳の輸出も行なっていて、2018年のH&Mの
コレクションで300枚が使われたのをインターネットで知った007スタッフから
オファーがあったそうです。
たとえ世界的に有名なグラジュアリーブランドではなくても、伝統のものづくりを
守り続けて、地道に世界に発信していけば、きっとチャンスにめぐり合えるんですね。