天空の城ラピュタ ・・・呪文バルス
暑い夏、やっと夏休みです。
休みは、クーラーの効いた涼しい部屋でテレビでも見てゆっくりと過ごそうと思っています。
テレビ番組欄で、12日、金融ロードショーで、「天空の城ラピュタ」が放送されることを見つけました。
何度も見ましたがまた見てしまいそうです。なぜ?
これは、映画本編がスタートしてから1時間55分後のクライマックスで、
主人公の少年と少女が滅びの呪文「バルス!」って叫ぶんです。
そうすると、空中古代都市ラピュタが崩壊するシーンが印象的。
たった3文字なのに、飛行石(トークンデバイス)を持った、王家の人間(生体認証)が、玉座の間にいるとき、コマンド、バルス(自爆シークエンス)を実行するという、
超古代文明なのに現代の3ファクタ認証に匹敵する高度なセキュリティが備わっていた
という設定に驚かされました。
この映画が放映されるとき、バルスのシーンに合わせてツイッターやインターネット
掲示板に一斉にバルスと書き込まれる、バルス祭りが開催されるのが恒例でした。
最初のバルス祭りは2009年11月放送時で、電子匿名掲示板2ちゃんねるのサーバーに高負荷がかかって、サーバーダウンしました。
2011年12月放送時には、ツイッター社の発表によると1秒間のツイート数が
2万5088TPSに達して、世界記録を達成しました。
バルス祭りは日本独特の現象で、米国ツイッター社でも急激な負荷増加に耐えられるように、テレビ放送に合わせてサーバーを増強して、ツイート数を集計するため
エンジニアを総動員しました。
米国本社では、テレビを見ながらツイートする使い方の非常に良いサンプルだと評価していました。
ところが2016年1月放送時からバルス祭りに陰りがみえてきたんです。
この頃から企業が便乗し始めてきたんです。企業の公式アカウントが一般ユーザーと
同じようにバルスと書き込む程度なら、むしろ歓迎されていました。
ところが、バルスではなく社名や商品名をつぶやくような露骨なマーケティングも
鼻に付くようになってきたんです。そして、ラピュタを放映する日本テレビが、
番組でバルスまでのカウントダウンを表示して、大々的にキャンペーンを打ち出したのが決定的にまずかった。
バルス祭りは自然発生的で、個人が自発的に参加して、大勢の知らない人同士で盛り上がれる一体感、今か今かとタイミングを待ちわびるワクワク感が楽しかった。
そこへ企業が、商売の下心でズカズカ入ってきたばかりか、あろうことか、カウントダウンで、さあみんなでつぶやこう! と仕切りだしたことに、多くの人たちがその
やらされる感、に嫌気をさし、急速に冷めてしまったんです。
子ども同士で楽しく遊んでいるところに大人が入ってきてシラケムードになることと同じ。
もはやバルス祭りはオワコンかもしれませんね。企業がマーケティングにSNSを利用するのは結構なんですが、ネット社会の空気を読み間違えないことも必要なんでしょうね。
このことを思いながらみなさんしっかり見てくださいね。天空の城ラピュタ・・・