リョウガのページ

小さな嬉しいことを発見する、今話題のことを思う

勝者と敗者

自宅から自転車で10分はどで、私鉄の駅が併設されているターミナルビルに

高級路線を彩るスーパーができたのは3年前。

すべての商品が他のスーパーと比べると価格が高く、庶民が日常的に利用できる

とは言い難いので苦戦するだろうと想像していた。

発祥の地である東京では相当数のセレブがいるからこそ売れるのであって、

地方都市に出店するなどギャンブルに近い冒険ではないかと、他人事ながら

心配していた。

 

ところが驚いたことに毎年売り上げを伸ばしているという。

日本チェーンストア協会の発表では全国のスーパーの売上高は一進一退を

繰り返していて成長が期待できる業界あるとはいえない。

売り上げが伸びない原因について協会は、消費者心理が非常に重く

一旦定着したデフレ感覚から抜け出せない、と分析する。

ところが高級スーパーの業績は好調。どの業界にも知恵を絞って快進撃を

続けて勝者になっている企業があるものだ。

 

その店にはなんどか行ったことがあるのだが、キーワードは”こだわりの逸品”

なので、たしかに高い。

野菜、惣菜、弁当、パン類等々、見るからに高級品質な商品が小さい店に

ズラッと並んでいる。自分が時々買うのは希少性が高い酒類

大半が輸入品で、見たこともないビールやワインを取り揃えていて、

飲んでみるとお世辞抜きで美味である。行くたびに今日はどんな珍しい

商品があるのかと、ワクワクする。でも高いので度々買えない。

 

かつて、どこかのスーパーが”いいものをどんどん安く”というのを

キャッチフレーズとしていた。これは大量消費時代にはマッチングしていたが

今は違う。

少子高齢化が進んだ現代は一人の主婦がスーパーで買う食料品の量は減るばかり。

だから質を高めていかねば生き残れない。この店の客足は平日の昼間でもそこその

入りだ。

マーケティング戦略に知恵を絞ったのだろう、立地条件の選定は心憎いばかりに

ドンピシャだ。この店の周囲には取り立てお金持ちは少ないが、比較的生活に

余裕のありそうな住民が集まっている。高級レストランに食べに行くほど贅沢は

しないが、家族が少ないから質の高い食べ物を時々食べたいと志向する向きが

多いと推測される。

ちょっと高いがセンスの良い商品を並べたお店が、そういった客層を上手く取り混んでいる。

 

近所の大手スーパーは対照的。

以前は多種多様なポイント還元サービスを実施していたが、相次いで取りやめている。

肝心の商品は、いつ行っても変わり映えせずワクワク感などまったくない。

企業規模が大きいだけに、ポイント還元をいじくるだけで年間数十億円の収益改善

効果が見込まれるんだが、はっきり言って小手先の対応策しかできれいない。

勝者と敗者の差がととてもわかりやすい。