リョウガのページ

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名医は笑顔

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ある医者が語っていた話。

暗い顔をして診察室に入ってきた患者が、帰る時には笑顔になる。これが出来たからその日の治療は、ほぼ成功したようなものだと。そのように導くためには医者が笑顔でいなければならない。医者は治療が仕事なのだから、表情などは関係ないと言う医者もいるが、それは間違い。

やはり”病は気から”である。

病は気からは単なる心構えを言っているものではない。この言葉にもきちんとしたメカニズムがある。人間はロボットとは違う。病院にやってくる人はみんな、不安を抱えている。心の落ち込みは表情を曇らせる。こうして診療室に入って来た患者に対して、医者まずすべき仕事は不安を取り除いてあげること。ここで医者も暗く、深刻そうな顔をしていると、患者の不安はますます増幅する。すると自律神経が乱れる。

自律神経とは循環器や消火器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間稼働している神経。不規則な生活習慣やストレスなどが、自律神経のバランスを崩す。バランスが崩れると、血行や免疫力に大きな影響を与えることのなる。不安で夜も眠れなくなり食欲も落ちる。こうなると当然治療するスピードも遅くなる。だから、目の前にいる医者が笑顔なら、それにつられて患者も笑顔になり、治す力が高まり、治療するスピードが早くなる。

これが”病は気から”のメカニズムである。従って、名医である条件は笑顔。ぶっちょうずらした人が名医として呼ばれているとしたら、それはいまだ名医の条件をクリアしていないエセ名医だ。

 

ところで最近、将来なくなる職業、食えなくなる仕事といった特集記事を雑誌などで良く見かける。AI(人口知能)技術のすざさまじい進展により、人間がやらなくてもAI搭載のロボットが仕事を奪い、今後は働き方が大きく変わっていく。銀行員、店員全般、運転手、工員、弁護士、税理士、司法書士などの士業といった仕事がなくなる職業とされることが多い。これに加えて、医者の仕事もなくなる有力候補とされている。例えば、外科の手術は精度の高い人工知能に任せた方がいい、といった理由があげられる。

しかし、笑顔で患者の不安を取り除くという芸当はAIにはできない。おそらく未来永劫できないはず。今後、いかに技術がすさまじく進展してAIがブラックジャック並みの手術が出来るようになったとしても、それは名医の条件をクリアしていないエセ名医だ。

そもそも人間が、つらいとか、大変だ、面倒だと思うような難儀な業務は、コンピュータに置き換えることは無理がある。